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 新社会党
2011年4月12日

    ユニオンが被災者支援
    震災リストラが横行


 3月11日の東日本大震災は、被災地の生活も職場を破壊した。のみならず、全国でその影響が現れ始めている。それに伴い職を失う労働者も増えている。各地のユニオンでは被災者支援と新たな困難の発生に向けた相談活動が始まっている。

ユニオンらでつくる名無しの救援団の支援物資積込み
 被災地では職場が流失し、再建のめども立たない企業では、労働者、とりわけ非正規労働者が最初に対象になっている。地域ユニオンに寄せられている相談や不安の声は多岐にわたっている。

 北海道では「日本全体が危ない」という風評から、千歳空港と中国・台湾・韓国を結ぶ直行便も次々と運休になり、サービス業を中心に非正規労働者の雇い止めが現れている。

 ●4月1日からの契約更新が約束されていた札幌近郊のリゾートホテルのフロントマン(契約社員)が、震災直後に雇い止めを通告されている。

 ●宮城県石巻に本社がある札幌の水産加工会社では、本社が津波の直撃を受け、全滅。製造の再開が見込めないなか、解雇になりそうだが、退職金は出るのだろうか、と不安に駆られている。

 ●NTTのひかり回線の営業を請け負う人材会社の札幌コールセンター(本社は東京)で、営業の対象地域が被災した、との理由から自宅待機命令の後、退職勧奨を受け、「自己都合の退職届け」を書かされた。などが寄せられている。

 また関東では、電力会社による計画停電など大震災を理由にした解雇の労働相談が相次いでいる。「非常事態」を口実にした便乗型の解雇も多い。補償なき休業(自宅待機)命令や一方的な賃金カットなども頻発している。NPO法人労働相談センターに相次いで寄せられた相談事例。

 ●登録型派遣で働く30代女性。地震で電車が遅れたため30分遅刻して派遣先に出社したら、派遣会社から「明日から行かなくていい」と言われた。

 ●仙台市内の被災者。会社から「出社しろ」とのメールがきた。親戚の家に身を寄せていて着替えも何もない状態なのに。

 ●都内の会社員から。計画停電による電車運休で出勤できないと伝えたら、会社から鉄道会社の証明書がなければ欠勤扱いと言われたうえ「来ようと思ったら来られただろ」「来る気持ちがないから来られないんだ」とめちゃくちゃな叱責を受けた。

 ●千葉県の衣類販売員から。大震災に伴って店舗が営業停止に。再開のメドは立たず、自宅待機を命じられた。東京本社で仕事をさせてほしいと言ったが拒否されたうえ、休んでいる間は個人の有給休暇をあてがうよう強制されている。

 ●電話営業のパートから。会社から「地震で電話も通じず事務所も開いてないから仕事ができない。今月は事務所を開けないから辞めてくれ」と言われ、会社内の私物が着払いの宅急便で送られてきた。ところが、翌日事務所に行ったら普通に仕事していた。

 お互いさまユニオンには、東京ガスと業務契約による事業をやっている会社が、「オール電化」が暗礁に乗り上げたのを見ると約200名の従業員(ほとんどが契約社員)を全員解雇、事業からの撤退を通告してきたという、という相談があった。

 大震災に便乗した企業による乱暴なリストラが増えると考えられる。

 
全労協の相談窓口  電話 0120 (501)581  各地の窓口につながる。


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