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 新社会党
2011年10月25日

    2011 反貧困世直し大集会
    震災があぶり出す貧困  生存権を保障した復興を


 2008年秋から始まった反貧困世直し大集会は4回目を数え、10月16日東京・市ヶ谷の法政大学で震災があぶり出した貧困≠サブタイトルに600人超が参加して開かれた。

 例年はフェスティバル方式で行われていたが、今年は16人の「被災者・被災地から」というテーマでのリレートークと「なくそう!官製ワーキングプア」や「貧困と原発労働を考える」など12の分科会と全体会でシンポジウム「生きるために必要なこと」が開かれた。


 反貧困世直し大集会2011は、反貧困ネットワーク(宇都宮健児代表)が呼びかけ、全労連、全労協、自治労東京都本部、首都圏青年ユニオンなど50以上の団体が賛同して開かれた。集会冒頭、主催者を代表して宇都宮代表が「貧困を解決できる社会をめざそう」と開会の挨拶をした。

 リレートークでは、福島県漁連会長や福島県二本松市で農業を営む24歳の女性、雇用の問題を宮城県三陸町の外国人女性労働者らがDVDで参加したほか、原発で働いている労働者、被災県で働く国公労働者や中小企業者、仮設住宅居住者や生活保護受給者、障がい者などが思いを語った。

 午後開かれた分散会には、被災地でグリーフケア(悲しみから立ち直るよう寄り添う)を手がける精神科医の森川すいめいさんと積極的に反原発活動を展開している作家の雨宮処凛さんの対談もあった。

 参加者からの質問に一つひとつ応え、放射能が人間関係を壊している事実に触れながら、本人の自己肯定を前提に生き方を探すことなどが話された。

 「貧困と原発労働を考える」分科会では、福島第一原子力発電所で働いたことがあるAさんが、その働きざまを語った後、ジャーナリストや原子力開発研究機構の労組活動家が、パネリストとして語った。

 原発の立地が、金と雇用の二本立てで進められた背景が語られ、天下の東電の下で、7、8次の請負もあり、労働者派遣法に抵触ギリギリで現場で作業が進められ、安全・健康管理もなおざりにされた非正規労働の実態が明らかにされた。

 その後のシンポジウムは、宇都宮さん、和光大学教授の竹信三恵子さん、福島県復興計画検討委員会委員長の鈴木浩さん、真言宗僧侶の中下大樹さんがパネリストとなり、反貧困ネットワークの湯浅誠さんがコーディネートした。

 竹信さんは日本社会の脆弱点が被災したこと、復興に女性の参画がされていないことを指摘した。鈴木さんは緊急・応急の避難、とりわけ居住権の確立として生活の水準の確保が重要であり、それが果たされていないとした。

 討論は、復興する生活の質を問題にし、従前の権利保障が前提であって、復旧・復興の主人公は被災者であることを強調し、生存権を保障した人間の復興であるべきとした。

 最後に集会宣言を全体の拍手で確認し、世界反貧困デーに連帯して、インド洋大津波で被災して地域再建に取り組んでいるスリランカの女性リーダーを交え、スタンド・アップ行動をして、世界の闘いを共有した。



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