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 新社会党
2011年12月27日

   2012年春闘の行方 
    私鉄ベア要求2500円


 連合は12月1日、都内で中央委員会を開催し、2012年春闘の闘争方針を決めた。定期昇給を確保した上で、給与総額の1%増額を要求するとした。労働者間の格差是正を図るため、要求対象を正社員に、パートタイマーなどの非正規社員を合わせた全労働者とした。

 古賀会長は挨拶で、「長期にわたって低下してきた賃金水準の復元、底上げ格差絶世を求める姿勢を継続する」とした。

 自動車や電機などの産業別労働組合で構成する「金属労協」も2日に、協議委員会を開き、2012年春闘では、ベア統一要求を見送り、定期昇給の維持を求めるなどの方針を決定した。

 これら労働側の春闘方針に対して、経団連は12月5日、経営側の交渉方針を示す「経営労働政策委員会報告」の素案を明らかにした。

 それによると、「歴史的な円高や東日本大震災を受けた電力不足などで経営環境が急速に悪化するなか、最優先の課題として企業の存続」などを強調した。

 春闘については、「春の交渉や協議に限らず日頃から労使間で情報交換を行うべきだ」と明記し、弾力的に賃金や一時金の調整を行える通年交渉を提案した。

 昨年提唱した「春の労使交渉パートナーショップ対話」の文言も削除し、脱春闘を鮮明にした。連合のつつましい「給与総額の1%増額」の要求に対して、経団連は「脱春闘」の文言まで出して、春闘つぶしに本腰をあげてきた。

 そのような中で、私鉄総連も12月7日に都内で中央委員会を開き、2012年春闘で、「定昇制度のある組合については定期昇給に加えて、ベースアップ2500円を統一要求として掲げる方針を提案した。

 私鉄総連は、要求の根拠として、「連合はベア要求を見送る方針を決めたが、私鉄総連は東日本大震災後、被災地の交通機関の復旧などに努力してきた労働者に対し、経営側は応える責務があるとして、ベア要求に踏み切った」。さらに「定昇制度がない組合は、定昇とベアに相当する合計7900円の賃上げを求める」と要求を明らかにした。

 私鉄組合のなかには、@他がベア要求なくて私鉄だけで取れるのか、A定昇割れさえあるなかで、頑張れば成果がでる闘いが求められる、などの声も出ている。私鉄総連は、職場の声に依拠する春闘を大切にしてきた。ベア要求をしてもベア獲得までたどり着くことができない時期が続いている。

 資本は「脱春闘を」掲げ、春闘つぶしに躍起になっている。私鉄総連は、年明けの1月から春闘討論、統一行動をするなかで、高率のスト権確立、ヤマ場の闘う構想を構築していくことを明らかにした。



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