高校教科書があぶない!東京都教育委員会の高校教科書採択妨害を許さない大集会(実行委員会の主催)が1月19日、東京都内で教員・市民ら200人が参加して開かれた。
これは昨年行われた高校教科書の採択で、都教委が実教出版の新課程用『高校日本史A』を採択させないように高校学校長に圧力をかけ、各学校で決めた教科書を採択させないという妨害行為を糾弾するもの。同教科書採択校はゼロになった。しかも、都教委は事実を認めた上で担当課が必要な指導を行った、と開き直っている。そして、今年の各校の採択行為に介入させない運動を強めようというもの。
集会は、呼びかけ人の岡本厚さん(前『世界』編集長)の「教育へ単一の価値観を押し付けようという国家の介入だ」との開会挨拶から始まった。
その後、「都教委からのお電話」と題されるコントを教員らが演じ、電話による圧力(指導)が再現された。そして、実教出版労組、出版労連(教科書対策部)、歴史科学協議会、同様のことが行われている横浜の教科書・市民フォーラムから活動の報告があった。
呼びかけ人の一人の小森陽一さん(東大大学院教授)は「採択妨害は石原『破壊的教育改革』の危険性の証明」を講演した。
小森さんは「1990年代以降、教育が社会統制のツールとなり、「日の丸・君が代」の強制で行動を縛り、教科書で感情・思考を統制しようとしている。文科省の検定済みの教科書を都教委が採用させないということは重大な違法行為である。文科省が検定合格したにもかかわらず実教出版の教科書を都教委が拒否した背景には、それで東京都の教育行政の罪状が明らかになるからだ」と強調した。
最後に、俵義文さん(教科書ネット21)が都教委の横暴を広く伝え、都教委に採択妨害を認めさせ、再発防止を講じさせるよう運動を広げる活動が提案された。
|