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2013.1.29
安倍のMIX
新型混合経済?

 アベノミクスとは安倍+エコノミクスの合成語。もともとはデフレ脱却のためインフレ目標を2%に設定し、日銀法改正も視野に、というのが中心だった。政権奪取後、安倍首相は「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略」の「三本の矢」を提唱。組織的には「経済財政諮問会議」と「日本経済再生本部」とを設置。後者の内に「産業競争力会議」を設けた。


 そして1月15日には10兆円余の「緊急経済対策」を含む12年度補正予算を閣議決定。その半分強は年度途中での国債増発でまかなうので、民主党政権の国際公約= 「新規国債発行44兆円枠」を軽く突破する。
 問題は、これらの政策の背景にある経済思想だ。相反する三つの要素が混在する。日銀総裁の首をすげかえてでも固執したいインフレ目標は新自由主義のドン=M・フリードマンに由来する。
 一方、大規模な財政出動はJ・M・ケインズに由来する。「成長戦略」は国家が産業企業活動に財政的に関与する点では、「小さな政府」を志向する構造改革主義と相容れない。
 安倍人事では副総理兼財務・金融相の麻生太郎が積極財政派。経済財政相の甘利明もこれに近い。他方、産業競争力会議に参画する竹中平蔵は構造改革の復権を目指す。但し竹中が今回、経済財政諮問会議をはずされたように、今のところ積極財政派の意見が重用されている。それには参院選までに景気を回復し、人気を持続させ、両院で安定多数を占めたい首相の意向がある。


 憲法9条改正という宿願を達成するまでは、当面何でもアリ、八方美人の「安倍のMIX」で行くだろう。


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