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2016.03.22
マイナス金利
失敗認めず泥沼化


 1月末、日銀はマイナス金利の導入を発表。2月16日以降金融機関の当座預金の一部に年マイナス0・1%金利適用を開始。これを受け主要銀行は普通・定期預金金利を引下げ、住宅ローンの金利も引き下げた。 
 黒田総裁は認めないが日銀の狙いは円安・株高誘導にあることは明らか。だが円安効果は数日で剥がれ、銀行株は軒なみ低落した。
 日銀のマイナス金利発動については当初から疑問視する意見も多かった。銀行の収益を圧迫し地方金融機関の苦境を深めるだけ、という指摘が多い。だから決定に際し日銀の政策委員会では9人中4人が反対。その内の1人、欧州経済にも詳しい白井さゆり委員は今月末で任期切れ。代わりに政府が推薦するのは、黒田総裁寄りで浜田宏一氏の子分と言われる桜井真氏。もう1人反対に回った石田浩二委員の代りも政権寄りの人物となろう(6月末交代)。
 さて今後に与える影響を見ておこう。日銀の採用した金利のマイナス幅は欧州に比べまだ軽微だ。それでもすでに起こったこととして預金金利引下げに加え、大手銀行の労働組合が今春闘でベア要求を見送り。表向き賃上げ期待を表明する安倍首相や黒田総裁の感想や、いかに。
 さらに欧州の先行事例からみると、今後はATM使用料や各種手数料の引上げ、年金基金を含む大口預金者へのマイナス金利適用も十分ありうる。今月10日には欧州中央銀行がマイナス金利幅拡大プラス量的質的緩和も拡大した。まさに通貨戦争であり、米国の大統領選挙でも排外主義者のトランプ有利に影響しそうだ。その先は? 想像するだけでゾッとする。 (影)


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