私は被爆二世です。荒木賢三
元電気工事調査員(65歳 長崎市)
いよいよ今年の4月から電力の全面自由化が始まった。やっと普通の商品と同じように、家庭で使う電気を選べるようになる。そして、電気という商品に対する監視と選択ができるようになり、「原発の電気はいやだ。風力や太陽光、地熱など再生可能エネルギーでつくられた電気がほしい」という意思表示ができるようになった。
まだ約290の登録事業者のうち、調達する電力の電源構成を公表しているのは約3割にとどまるものの、電力会社を選べるということは、一人ひとりが反原発・再稼働反対のための大きな武器を手にしたことを意味する。
小売り自由化は1996年に始まり、2004年までに企業向けを終えた。それから全面自由化まで12年を要している。家庭向けの電気はこれまで企業向けよりの高い値段で買わされてきた。
じつに全国平均で利益の69%を家庭向け電気から得ている。いわば家庭向けの電気が原子力発電を大きく支えてきたといえる。
一番の儲け先である家庭向け電力で新電力への乗換え=スイッチングを進めることが原発に依存する9電力の経営を大きく脅かす力となる。
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