「みんなで水ひろば」キックオフ集会
安全で安心な「おいしい水」は、手に入り続けるのか−。経済優先の社会構造のなかで聞こえる『民営化』とは一体どういうもので、私たちの暮らしはどのように変わるのだろうか?
「どうなっているの?日本の水−グローバル化と世界の水道民営化」いうタイトルで、「みんなで水ひろば」のキックオフ集会が、11月20日に東京都内で開かれ100人が参加した。
公営で運営されている水道は、水道管の老朽化、人口減少による料金値上げなど大きな転機を迎えている。一方、世界的に水道事業への資本参入が「民営化」で進められ、TPPなどで国内の事情や公共性などを無視した多国籍資本による世界の水道制覇が加速させられてきた。安倍政権はアベノミクスの「成長戦略」の柱として「公的サービスの産業化」を掲げた。
そういうなかで201 7 年には、「水道法」の改定が想定され、大阪市では橋下徹前市長の提唱で市の水道民営化が進められようとしている。
最も大事なライフラインである水道の将来を真剣にウオッチし、考えないと、「民営化」によって大変なことになりかねない。
この問題をさまざまな角度から追ってきた市民と、水道局で働く労働者(全水道)が協力して、「みんなで水ひろば」を発足させた。
最初に、全水道会館水情報センターの辻谷貴文さんが「大阪市のコンセッション方式導入や民間企業が参加しやすいよう水道法を変える動きの中で、情報を共有するプラットフォームとして発足させる」と挨拶した。
長年水問題を追跡してきた橋本淳司さん、東京都大田区議会で民営化の問題を取り上げてきた奈須りえさん、TPPはじめグローバル化の問題を追ってきた内田聖子さんから、貴重な問題提起を受けた(別掲)。その後、全水道東水労本部の中川崇さんの司会で講師との質疑に入った。
「電気もJRも民営なのになぜ水道がいけないのか」という質問に対しては、「貧困が拡がる社会の中での公共サービスを考えないと。電気をとめられて冷房なしで熱中症死したり、ろうそくが倒れて焼死したり、水道代払えないので公園に子どもが飲料水汲みにくるようなことが、報じられている」などの意見が出たり、今後の議論の深化が期待される集まりとなった。
□ 「みんなで水ひろば第1回ミーティング」 日時 2017年1月19日(木)18時30〜 会場 東京・全水道会館4階 参加費無料 問合せ 全水道・水情報センター 辻谷貴文 03(3816)4132
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