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第81回メーデーアピール
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2010年5月1日
新社会党中央本部 |
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世界恐慌の嵐は依然と止むことはない。資本が地球上で利潤を求め続ける限り、格差と貧困は広がり労働者階級の生活は悲鳴を上げる。
第81回メーデーは、働き続け、人間らしく生き続ける生活を実現させることを声高くアピールする。
自民党と財界が一体になって進めてきた規制緩和は、矛盾を露呈している。「民間の自由競争こそ国際競争に勝つ」と新自由主義が賛美され、「官から民へ」規制緩和を加速させた。
その結果、何でもありの無政府状態をつくり出し、派遣法導入、労働法制改悪、雇用改悪等々、労働者を悲惨な状況に追いやった。
就業労働者の3分の1が非正規雇用労働者、年収200万以下の労働者が優に1700万人を超え、多くのワーキングプアも生み出した。
日本の個人所得は、1997年をピークに下がり続けている。それに比べ経営側の内部留保は240兆円までに膨らんだ。企業の分離・分社化、非正規雇用労働者拡大などで経常利益を膨らまし資本は潤い続けている。
労働組合の役割は非常に重いものになっている。昨年の衆議院総選挙で政権交代が実現した。鳩山首相が最初に発した「コンクリートから人へ」と人間に優しい政治を掲げ、政権交代の期待感は頂点に達した。
しかし、政権交代はこれに応えられないでいる。労働現場は労務管理の弾圧は弱まることなく、デフレスパイラル抑止に効果的な春闘の賃上げにも政治的支援の動きはなかった。
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沖縄の米軍普天間基地移設に当たり、絶対に県内・国内移設は認められない。基地は米国の問題であり、日本に押しつけるものでなく、米国本土で解決すべき問題だ。
アジアに仮想敵国をつくり危機感を植え付け、ミサイル防衛システムなど軍備増強を続け、日米安保の「必要性」を増長させている。アジアに緊張を持ち込むことが平和への脅威となっている。
夏の参議院選を護憲勢力の拡大で勝利しなければならない。
2010春闘は、経営側の「景気は厳しい状況にあり、雇用維持をとるなら定昇凍結もあり得る」と賃下げをほのめかし、「定昇賃上げ論」を主張してきた。定昇は賃上げではない。ベースアップ獲得こそが賃上げだ。大手組合の定昇封じ込めは、定昇を持たない中小にボディブローとなり前年実績を引き出すのに精いっぱいになった。労働側の賃上げ水準を引き下げたことに厳しい総括が求められる。
国労闘争団は、23年を経過して政府の解決案を受け入れることを表明した。これによって、国家的不当労働行為をめぐる未曾有といわれた長期争議は終息に向かっているが、JR各社は雇用を依然拒否し、全面解決に向けて予断を許さない。
労働は社会存立の基盤だ。派遣など非正規労働者や未組織として放置されてきた仲間が、人間の尊厳を求めて動き出した。「非正規・正規」「未組織・組織」の枠を越え、大きく連帯の輪を広げるならば、労働運動は停滞から前進へと動き出す。
万国の労働者団結せよ!
2010年5月1日
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