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救援・復興の主人公は労働者
─ 第82回メーデーアピール ─
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2011年5月1日
新社会党中央本部 |
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今年の第82回メーデーは死者、行方不明者が2万8000人を超える大惨事となった東日本大震災後の開催となった。また、追い打ちをかけるように福島第一原発事故の被害が広がっている。
光も音も臭いもなく見えない放射能物質が、農地や海水を汚染し、都市部にも降り注ぎ飲み水を汚染した。東日本大震災は天災だけでは考えられない人災の面が日を追って明らかになってきている。「千年に一度」、「想定外」などの放言をやめない政府、官僚、企業、学者、政治家、マスコミはみな重罪である。
「救援、復旧、復興の主人公は被災住民でなくてはならない。今、何より求められていることは、政府のもとに自治体を含むあらゆる機関を動員し、情報を集中し、公開し、被災地、被災者との連絡体制を1日も早く確立することである。
その時忘れてならないのは救援・救護、そして今後の復旧、復興過程の主人公は被災地住民であり、勤労国民であるという一事である」と阪神淡路大震災を経験した労働者たちが声を発している。
福島県南相馬市で津波被害を受け、隣町に避難をしている女性から悲痛な叫びが届いた。「避難場所から県境を越えて宮城県の職場に通勤できなくなった。会社からは通勤できるアパートでも探してほしいといわれ、できないことを伝えると解雇という。どうしたらよいのか」という内容だ。
阪神・淡路大震災のときは、被災者ユニオンを立ち上げ、1人ではできない会社交渉、行政対策をユニオンとして取り組んで成果があったことが報告されている。
救援・復興の主人公は被災者である。「国難」「オールジャパン」を叫ぶ政府や大企業ではない。むろん、一人では雇用も農業も漁業も真の復興はできない。被災による大量解雇を許さないために労働者の自立、労働組合の自立が大切だ。
労働者の主体的な展望と復興構想を組織的に練り上げ、行政を動かして雇用確保を促進させ、企業の横暴な大量解雇を封じ込めよう。
そのために、現地の労働組合と連携し、被災者ユニオンなどを組織し、労働相談を受け入れ、東北地方をネットワーク化するなど共闘づくりが進められている。
労働組合は、事故や自然災害の度に社会的影響を配慮させられてきた。年間最大の闘いである春闘さえも「世論に配慮する」とという理由で統一闘争を解除した。「これで良いのか」という疑問の声が「大震災被害」の前に消された。
しかし、労働組合が世論に配慮をしようが、資本側は経営の論理を押しつけるだけだ。「大震災の影響」を口実に、「賃上げをするときではない」と譲らない。
それに対抗する労働側も、「大震災」を理由に統一闘争などの春闘の旗を降ろし、大震災を口実にした低額回答を迫られ敗北した。大震災は労働者の団結まで破壊した。しっかりした総括が必要だ。
労働者が働き、商品が生産される。生産がなければ経営側の利益は生まれない。労働者こそ社会の主人公でなければならない。労働者が勇気を持って団結をするとき、闘いの展望が切り開かれる。
万国の労働者団結せよ!
2011年5月1日
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