第85回 メーデーアピール

2014年5月1日
新社会党中央本部


 14春闘は「政労使会議」に取り込まれた。「交渉重視」「横並び否定」「生産性基準原理」を破れず官製春闘と化した。3月12日の集中回答日にベア回答が出されたものの、13日以降からベア回答は消えた。安倍政権は、復興法人税の1年前倒し廃止と法人減税を餌に経営側に賃上げを迫った。しかし、ベア回答は中小・地方に波及することはなかった。
 企業は、「いかに税金を納めず、賃金を抑えるか」を追求して利益を拡大している。日本企業の約70%が赤字決算で法人税を納めていない。納税している30%の企業も、ソニーの12・9%を筆頭にトヨタでさえ30・1%、法人税率は軒並み30%を割り込んでいる。大企業の輸出還付金は消費税8%で、およそ5兆1575億円を見込んでいる。消費増税に賛成しながら法人税の減額要求は盗人たけだけしい。
 他方、賃金は、1997年の平均年収446万円をピークに平均377万円まで下がり続けている。公務員賃金はこの10年間で100万円近く切り下げられた。非正規労働者にいたっては、年収168万円と飢餓賃金そのものだ。それに引き換え大企業の内部留保は280兆円に上り、大企業の一人勝ちになっている。
 企業は、「国際競争に勝つために」と労働者の賃金を下げてきた。また、評価制度による賃金配分で労働者の分断を進めている。総務省が発表した2月の失業率は3・7%、完全失業者が238万人と44カ月連続で減少。安倍首相は有効求人倍率が1・04倍となり14カ月連続で改善できたと自慢する。しかし、その内実は非正規雇用への流動化による。労働者派遣法改悪や限定正社員など、国家戦略特区の無法地帯を日本標準にさせる戦略が、産業競争力会議で進められている。「いつでも雇用・いつでも解雇」が実践できる三つの雇用形態の完成で、労働者の8割以上を有期雇用に移行させる狙いだ。
 働く人々の生活と権利を守ることこそが、平和国家の基礎。
 労働者こそ社会の主人公だ。万国の労働者、団結しよう!


                                2014年5月1日
                                新社会党中央本部