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第87回 メーデーアピール
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2016年5月1日
新社会党中央本部 |
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16春闘は政労使会議に代わる「官民対話」が創設された。安倍首相は「GDP名目600兆円の実現のため、人材に積極的投資、今年を上回るベアで、経済の好循環を達成する」と経済界に呼びかけた。16春闘をアベノミクスの再評価で、参院選と本丸である「改憲」に弾みをつけようとした。
10月〜12月期のGDPは年率換算で1・4%(国別ランキング3位・1人当たり27位)大企業だけに集中し、トリクルダウンにはならず国民に富は届かない。大手企業の純利益は過去最高を記録した。その筆頭のトヨタは、2兆2700億円(前年比4%増)の荒稼ぎだ。
安倍首相は「二度あることは三度ある」などと力説し、経営側に念を押した。だが、経営側は「経営環境の潮目が変わった」ことを口実にトヨタがベアを1500円に抑え、「低額ベア水準、年収ベース」の回答になった。15春闘の賃上げ率は2・2%(中小組合は1・88%)だったが、12月の実質賃金はマイナス0・9%まで落ち込んだ。16春闘ではさらに低額水準に抑え込まれ、物価や税金、医療介護など社会保障関係費だけが上がり、早い段階から実質賃金がマイナスに転じる。
安倍首相はこの3年間、アベノミクスのために労働者の要求を先取りしてきた。賃上げばかりか、最賃1000円、同一労働同一賃金の実現まで掲げた。「非正規賃金、欧州並みに正規の8割を目指す」とアピールし、来年の国会で法制化するという。しかし、昨年の通常国会で「同一労働同一賃金推進法」を骨抜きにした張本人は安倍首相だ。選挙対策に利用するだけで、額面通りには受け取れない。労働者の期待を手玉に、首切り自由、ホワイトカラーエグゼンプションを進め、「世界で一番企業が活躍しやすい国」にしようとしている。
アベノミクスは破たんした。「アベの果実」の恩恵に預かる労働者は皆無だ。安倍首相は「1億総ブラック企業奉仕」を培養し、全国の職場で労働基準法を守らない無法地帯を蔓延させてきた。
憲法の保障する「国民が健康で働き続けられる社会」を労働者の団結でつくろう。労働者こそ社会の主人公だ。万国の労働者、団結せよ!
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2016年5月1日
新社会党中央本部 |
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