東日本大震災に伴う原発問題への新社会党の見解
(第一次)


2011年3月16日
新社会党中央本部


 3月11日午後に発生した東日本大震災で被害を受けた方々に心からお見舞い申し上げ、亡くなられた方々には、衷心より哀悼の意を表します。今なお安否が不明な方々も一刻も早い救出があることをお祈りいたします。

 さて、この大震災に伴う福島第一原子力発電所での爆発・放射線漏れは刻々と事態が変化し、当該住民はもとより、多くの国民の不安を惹起している。さらなる重大な事態が危惧され予断をゆるさないが、現時点では、新社会党は以下の立場で対応する。

 第一に、稼動中の全国の原発をまずは即時停止し、安全を再点検をすることである。すでにこの4日間で新潟と静岡では震度5〜6の地震が襲った。いつどこでも巨大地震が起きる可能性が否定できない。

 にもかかわらず、新潟の柏崎・刈羽原発と静岡の浜岡原発は依然として稼動中である。政府は電力会社の言いなりである。即刻、誘致先自治体はもとより、全国の自治体が原発の即時停止の決議を挙げ、政府と当該電力会社にはたらきかけよう。

 3月15日EUは域内14カ国143基の原発の一斉安全点検を開始することを決定した。

 また、休止中の火力・水力発電所の稼動を早急に準備することである。

 国際エネルギー機関(IAE)は3月15日、「日本は原子力発電の不足分を補うだけの石油火力発電による余剰能力を有している」、「日本は09年には石油火力発電能力の30%しか使用していない」と声明した。できないことはない。

 第二に、被害の拡大を止めるためには、東電だけでなく政府・官僚も事態を隠蔽しようとするのでなく、まず的確・敏速に情報を公開することを求める。とくに政府・自治体には福島近県をはじめ広範囲にわたる放射線量測定と住民への周知態勢つくりを求める。

 また、汚染の程度をレントゲン撮影の被曝量と大差ないなどと、質の違うものを比較するような報道機関の偏向キャンペーンもやめるよう求める。

 第三に、福島原発周辺の放射線被曝状態の検査遂行と被曝治療の医薬品や医療施設などの処置をまず講じること。また、福島原発からの避難半径の拡大に伴う避難先の確保、暖房具、食料などの供給体制を各周辺自治体が早急につくることである。

 第四に、「平成23年度予算案」では「原子力関係予算案」として4329億円が計上されている。その多くが原発研究・開発、建設立地などの費用と思われる。新規建設はもう許されない。それらの予算を今次原発被災対策に組み換えるべきである。

 反原発の立場を一貫して貫いてきた新社会党は、こうした考えに立ちつつ、眼前の深刻な事態の拡大を防ぐため自治体や地域から全力を挙げます。

                                                              以 上