参議院選挙での共同 どうすれば実現できるか 
2015年10月20日
新社会党中央本部


 

 戦争法案反対闘争の高揚を受けて、若者や政治を動かそうと立ち上がった市民の間からは、来年の選挙で野党は力を合わせてほしいという切実な要望が強まっている。9月19日の志位和夫日本共産党委員長の提案も波紋を広げている。国政選挙の共同を求める声には沖縄を例外として応じてこなかった同党が、大胆に方針を転換したことは歓迎される。
 だが、解散総選挙を実現させ「集団的自衛権閣議決定撤回・戦争法廃止・立憲主義を取り戻す」の一点で暫定的な「国民連合政府を樹立」し、解散総選挙を再度行うという構想とセットで、選挙協力を協議するというのでは、野党の同意を得るのは容易でない。
 志位委員長の発言では、次期参院選の1人区での協力をまずは想定しているようにも思われる。参院で戦争法廃止勢力が多数を占めるだけでも今後の展開は変わるし、憲法改悪にしっかりと反対する議員を3分の1以上参議院に送り込めば安倍内閣の究極の野望を打ち砕くこともできる。
 国政選挙での共同の訓練が未熟な現状(その責任の一端は共産党にもある)では、まずはここから始めるべきであろう。
 民主党は、共産党、社民党、生活の党を当面参院選挙に向けての政策協議の対象とはせず、まずは維新との協議を優先させ、その上で選挙協力の協議に臨む態度だ。これではこの間の「総がかり」の共同行動を発展させるものとは言えない。
 今や政党本部間の協議を求めるだけでは事態は打開されない。各選挙区で、心ある政党と市民が政治の主人公として国政選挙を自分たちの手で準備しなければならない。「民主主義って何だ!これだ!」を国会前から地域に広げなければならない。

 1人区32を中心に自民をゼロにするため都道府県段階から行動を起こそう。
 すでに沖縄選挙区では伊波洋一さんが共同予定候補で決定した。戦争法反対や脱原発運動の代表を選挙で準備しようと、多くの選挙区で努力が始まっている。


 壮大な共同の実現力はどこに


 だが、それだけでは安倍政権を打倒し、憲法改悪を阻みうる共同戦線の構築には遠い。野党の足並みが揃わないのは、民主党から共産党までを結びつける力が足りないからだ。
 定数の多い選挙区では、各党が競うことになるが、東京などでは「憲法擁護・戦争法廃止・脱原発・沖縄基地撤去・反格差反貧困」のうねりを代表する政治的代表―多くの場合無所属共同候補―擁立への声が高まっている。
 また、比例は各党がそれぞれの比例名簿で闘うが、そこにも選挙区共同候補に連動する新たな共同名簿の登場が求められている。
 この数カ月で共同を求める市民の声にどう応え現実的に努力をするか、日本が奈落の底に落ちるか平和憲法を生かす社会に向かうかを左右するであろう。