長崎市長へのテロ殺人を糾弾する

2007年4月18日
新社会党中央本部

 4月17日、統一自治体選挙が闘われている最中の長崎市で、伊藤一長市長が右翼暴力団幹部の銃撃により殺害された。私たちはこのテロ行為を深い憤りとともに糾弾する。

 選挙運動期間中に候補者が殺害されるという異常事態は、民主主義の根幹を揺るがすものである。また、公共事業発注問題が絡んでいるという報道は、右翼暴力団と業界・保守政界との癒着や抗争の背景もうかがわせる。

 長崎市では90年に天皇の戦争責任を指摘した本島等前市長が銃撃を受け重傷を負った。伊藤一長市長も国際司法裁判所で「核兵器使用は国際法に違反している」と証言し、核実験に抗議し、核廃絶を訴え続けてきた。今回の凶暴な殺人事件も、核廃絶運動に対する公然たるテロ行為である。

 政治活動と言論・表現の自由を暴力によって脅かし、気に入らない人物の被選挙権を殺人によって抹殺するという異常事態を、深刻な危機感をもって受け止めなければならない。暴力で「ケリ」をつけるという風潮を絶対に許してはならない。

 安倍内閣が憲法改悪に向けてひた走り、格差社会のひずみが深刻さを増している社会状況のもとで、社会全体に暴力的傾向が深まっていることに危機感を持たなくてはならない。
 警察は背後関係を徹底的に究明すると共に、私たちは暴力根絶に向けた国民的な世論を高めなくてはならない。