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参院選挙をたたかって
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2010年7月12日
新社会党中央本部 |
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民主党は敗北し、自民党は改選第1党になり、保守3極をうたう「みんなの党」が前進した。
その中で社民党は比例区2議席を獲得したものの、共産党とともに議席・得票とも減らし、護憲派・左派にとって大変厳しいものであった。
護憲の共同候補としてわたしたちが推薦し社民党で闘ったはらかずみさんも残念ながら議席獲得はならなかった。党員・支持者の皆さんの健闘にお礼申し上げ、私たちの力不足を率直にお詫びするものである。
その主体的原因は取り組みの遅れなど様々考えることができよう。しかし、何よりも問題なのは、1年前に歴史的な政権交代を実現した国民の期待をことごとく裏切ってきた鳩山政権に対する失望、それを受けた菅政権の日米同盟の堅持=沖縄の切り捨て、消費税10%アップなど、どこが自民党と違うのかという反発が大きな政治不信と化したことである。
それは「革新一般(変化)」への不信ともなり、公務員たたきなどへ誘導され、保守化・右傾化の流れを強めたといえる。
逆にいえば、変化を求める国民の受け皿になれないという、私たちも含めた護憲派・左派総体の問題である。
民主党は敗北したとはいえ、労働者派遣法の抜本的改正には消極的な大労組の比例区候補は当選している。
支持基盤が崩壊したという自民党には自治体議員を中心とした根強い「地方保守」が存在する。
そして危険なのは、国会議員を減らせ、公務員を減らせ、憲法を変えろという右派新党の胎動である。
護憲派・左派結集を誠実に追求する新社会党の任務は大きいのだが大衆的な影響力は弱い。
とりわけ大衆運動の中核的役割を果たすべき労働運動の再生は急務であり、特に未来を担う青年とどう結びつくのか問われている。本格的な総括は今からであるが、腹をくくった討論が求められている。
だが、悲観材料ばかりではない。全国の仲間の「護憲の議席を一つでも増やそう」という情熱はあふれており、個々面接、電話・親書戦術など地道な運動を展開した多くの仲間がいる。
周りに訴え広げるしかないと腹をくくって明るく選挙運動をやっている仲間に勇気をもらった。
また「闘う近畿第3極」が提起した今回の社民・新社会連合は、ユニオンや少数派で頑張っている労働運動活動家、多くの無所属議員、そして旧社会党・総評時代を担った世代の結集を作り出した。
両党の党員と無党派の仲間が、はらかずみさんを軸に各地で共闘したことは、大きな今後の足がかりである。社民党がどう総括するのか不明だが、このような頑張りが社民党の比例区2議席に結びついたと確信する。
社民党との関係も含めて、今回は不完全な護憲共同の動きにとどまったが、その総括と合わせ今後本格的な護憲共同をどう発展させて行くのかが問われている。
連立の行方は激動し、どうなるのか予断をゆるさないが、今次選挙で日米安保体制強化、議員・公務員削減とセットの消費税増税という翼賛体制は始動した。
世界的に階級矛盾が噴き出している。保守化・右傾化の流れが強まり、連立のあり方いかんでは働く者に対する攻撃は強まるだろう。
だが、その生活と労働の現実の中で、考え、行動する仲間が出てくるのもまた当然である。
日常活動を強め、どう主体の強化に結びつけるかである。来年には統一自治体選が闘われる。総括運動と組織建設を結合させよう。
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