米韓合同軍事演習は即時中止し平和協定交渉へ

2016年03月07日
新社会党中央執行委員会



 

3月7日、「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」の名の米韓合同軍事演習が開始された。この軍事演習は朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮と略す)に対する、かつてない規模と先制攻撃をも含む軍事演習である。演習は韓国軍29万人、米軍1万5千人が参加し、原子力空母、ステルス爆撃機、更に「作戦計画5015」に準じて敵国要人の暗殺や重要施設を破壊する米特殊部隊が参加し4月30日まで行われる。

 

これに対し朝鮮も「先制攻撃も辞さない、総攻撃に立ち上がる」と応酬し、一触即発の不測の事態を招く極めて危険な状態となっている。2003年の米国のイラク侵略戦争の「大量破壊兵器保有」の虚言による戦争を想起する朝鮮は、いやが上でも、米韓に対し防衛と先制攻撃を宣言し身構えている。こうした、朝鮮半島の軍事的対決を一層先鋭化させ、再び朝鮮半島に戦火を起こすことは絶対に避けなければならない。

 

朝鮮半島は休戦状態が63年も続いたままであり、その間いくつかの軍事的衝突、緊張状態も起きてきた。この朝鮮戦争の休戦協定と事態打開の責任を持っているのが米国(国連軍と僭称)であり、米国は38度線を境にした朝鮮戦争の「休戦協定」を「平和協定」にするために全力傾注すべきである。朝鮮はこれまでも平和協定締結の意思を表明し、2015104日の国連演説でもそのことを表明し、ボールを米国に投げ続けてきた。また、朝鮮半島の事態妥結に向けた6カ国協議も一定の前進が覗われた。しかし米国は、自らの価値基準の押し付け、新たな障壁を持ち出し6カ国協議も米朝協議も頓挫したままである。

 

今、米国には対話による外交努力が求められているのであり、朝鮮の眼前で大規模かつ挑発的軍事演習をし、ましてや「斬首部隊」など特殊部隊の派遣などはしてはならない。また、米国は朝鮮半島の事態を中国の責任にすることなく、自らの歴史的責務の自覚と朝鮮敵視政策の放棄、朝鮮半島の非核化のための交渉を提案すべきである。いっぽう朝鮮は核開発中止と核兵器の放棄を前提として交渉に入るべきだ。

米朝の交渉を促すためにも、日本は朝鮮半島地域の極度の緊張状態を口実にして、米・韓、さらに豪を加えた軍事包囲網に加担するなど、火に油を注ぐような挑発をしてはならない。

                        

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