参議院選挙を終えて―書記長談話

2016年07月11日
新社会党中央執行委員会


 

 第24回参議院選挙が終り、3分の2の改憲勢力の議席を参議院でも許してしまった。国会の改憲発議に向けた動きが加速することを覚悟しなくてはならない。公明党の歯止め役を当てにしてはならない。
 しかし、その一方で14年7月の集団的自衛権は合憲とした閣議決定、それを具体化する昨年9月の戦争法の強行成立以来、平和の危機を感じた諸勢力のたゆみない努力の結果である野党と市民の共同統一候補方式は、全国32の定数1の選挙区で11勝した結果と経験はこれからの展望を与えてくれる。
 しかも、その少なくない選挙区で 新社会党がしっかり関わり、運動の一端を担うことができた。敗れたところや複数選挙区でも同様に新社会党の活躍があった。
 また、新社会党が比例区で推薦した社民党が1議席に後退したとはいえ、得票率で政党要件を維持できたことは今後の院内外の運動の前進のために貴重な結果といえる。
 さらに沖縄県と福島県の現職閣僚をうち破っての勝利は、米軍基地問題、原発政策と被災者・復興問題で内閣に不信任を突きつけるものであり、内閣はこの両県民の判断を真摯に受けとめ、喫緊の課題として県民の願いを実現しなくてはならない。
 投票率が前回より2・1ポイント上回ったとはいえ、54・7%にとどまった。選挙中にもわらず都知事選候補者問題に焦点を当て、参院選での争点を隠したともいえるテレビ報道の姿勢と、そう仕向けた自民党の思惑は、憲法前文の「正当に選挙された国会における代表者」を毀損させるものであり、暗然とする。
 確かに改憲勢力が改憲発議に必要な議席を占めることになった。しかし、世論は「安倍政権での改憲」や改憲の本丸である9条改悪には反対が多数である。個別政策についても安倍内閣が全面的に支持されているわけではない。
 とりわけ、グローバル大企業や富裕層に富が集中し、庶民を貧困と不安に陥れる格差と貧困問題は深刻である。若者が将来に展望が開けない社会に未来はない。世界有数の経済力を市民生活に活かそうとしない政治の変革こそ重要なのだ。
 新社会党は選挙結果を受けてこの確信をますます強めている。悩み苦しんでいる一人ひとりに寄り添い、平和と暮らしの安定に向けていっそう活動する。

                        

 以上