日本は核兵器廃絶の先頭に立て


2016年10月28日
新社会党中央執行委員会


 

 国連総会第一委員会(軍縮・国際安全保障)は10月27日(日本時間28日早朝)、核兵器禁止条約の制定に向けた交渉を2017年に開始することを求める決議を採択した。決議には123カ国が賛成し、38国が反対した。ヒロシマ、ナガサキで核兵器の非人道性を身をもって体験した日本は、驚くべきことに決議に反対した。オバマ米国大統領は2016年5月27日広島を訪問し、「私の国のように核を保有する国々は、勇気を持って恐怖の論理から逃れ、核兵器なき世界を追求しなければならない」と演説した。大統領に同行した安倍首相は「日本と米国が力を合わせて世界の人びとに希望を生み出す灯となる」と述べた。両者の言葉とは裏腹に、国連総会での日米両国をはじめ核保有国、及びNATO加盟国などが核兵器禁止条約の制定に向けた交渉開始に反対した。一方、アラブ諸国やメキシコやブラジルなど国連加盟国の多くは、核兵器の製造・実験、そして核兵器そのものの廃絶を求める流れを加速させている。これは決して止めることはできない人類の普遍的な流れである。だが、決議採択に反対した国々は、過去の遺物である核の脅しをベースとした「核抑止力」に未だに拘泥している。日本は日米安保条約のもと、米国の核の傘に身を託し、「日本の安全に万全を期すためには、核を含む米国の抑止力の提供が重要」〈外務省〉との立場をとってきたが、核抑止論から決別すべきである。再度繰り返す。戦争で唯一、核攻撃とその惨禍を体験した世界で唯一の核被爆国である日本は、核兵器の廃絶の先頭に立つ決意を世界に示すべきである。来年開かれる、国連の核兵器禁止条約の制定に向けた交渉を成功裏に導く安保・外交政策に転換することを強く訴えるものである。                

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