第48回総選挙は、違憲の戦争法制を合憲化する改憲にかける安倍晋三首相の執念に基づく解散で始まり、結果はその意図通り、自公与党は再び衆院の3分の2を占め、希望、維新の両改憲政党が脇を固めた。共産、社民は後退した。
ただ、自公政権の圧勝と言っても、それは国民世論とのねじれをもたらしている。各種世論調査で安倍政権は不支持が支持を上回っている。それが急ごしらえの立憲民主党が伸長した背景だ。「モリ・カケ」疑惑に象徴される政治の腐敗・私物化への怒りもある。
国民は、大企業や富裕層ばかりが良い思いをするアベノミクスに見切りをつけている。しかし、信頼に足りる代わりの政党や政権構想が見えない。そのため投票に行かず、諦めと不満を抱いている。
自民党の別動隊というべき希望の党に、市民と野党の共同は突き崩された。それだけ自民党は市民と野党の共同を恐れている。争点が鮮明になれば一気に火が付き、自民党支配を揺るがすからだ。
新社会党はこれまで培ってきた市民と野党の共同候補の当選に力を尽くし、統一候補ができない場合でも、自民党など改憲勢力の議席を一つでも減らすために奮闘した。圧倒的な前職の壁に敗れたとは言え、この闘いの先頭に立ち、勇気を与えたのが兵庫9区の菊地憲之さんだ。
安倍自民党が憲法改「正」を公約にしたことから、今後の改憲暴走を覚悟しなくてはならない。暴走を止めるのは、戦争だけはやってはいけないという国民の思いと、それを実現する運動の具体化である。
それは同時に、格差と貧困にさらされている国民の「何とかしてほしい」という思いを政策化し、その実現を図ることがどうしても必要だ。新社会党はそのためにいっそう奮闘する決意である。
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