党声明 参議院選挙の結果を受けて



2019年7月22日
新社会党中央本部


 野党統一候補が一人区中10選挙区で自公候補に競り勝つなど、市民と野党の闘いが改憲3分の2議席を許さなかった。改憲実現を最後の仕事と構える安倍晋三首相に一矢報いた参議院選挙となった。自民・公明の政権与党は過半数を維持したものの、自民党は単独過半数割れとなった。

 社民党の政党要件が維持され、今後も野党の架け橋となることが期待される。一方、現状の野党の政策的低迷に挑戦した「れいわ」は鮮烈な衝撃を市民に与え、2議席を確保し政党要件を得た。

 課題は消費税増税に反対ないし懸念を持つ有権者が多く、直前に「年金2千万円不足」問題が起きたにも関わらず、投票率が48・8%と史上2番目の低投票率となった。事前予想によくある「半数は投票先未定」は、「半数は投票せず」に終わった。

 生活できない賃金や長時間労働など雇用の劣化と社会保障の悪化に対して、政治的反発とならないのは自己責任と政治へのあきらめが浸透していると考えざるを得ない。消費税も社会保障の財源なら仕方がないと思わされてきた。

 問題はこれからだ。日米貿易交渉で農産物の自由化がいっそう進展する内容が発表される。日本経済を低迷させてきた消費税が10%となれば、その悪影響は想定を超すだろうし、そのしわ寄せは民衆に降りかかってくる。

 改憲論議もすぐに発議されないとなると立憲野党に油断が生じる。選挙前から安倍首相は国民民主党を名指しで分断し、改憲に引き込もうとしており、いつの間にか発議のおぜん立てが整う恐れは強い。与党や維新勢力によって自己責任の呪縛は強まり、生活の不安はいっそう大きくなろう。

 しかし、一人区で見せた野党統一候補とそれを支える力があれば現状を打破できる可能性は開けている。新社会党はその多くのところで力を発揮することができた。もちろん複数区でもその役割の一端を担うことができた。ただ自前の候補を擁立できなかった反省が残る。再来年秋までに必ずある解散総選挙も含めて安倍一強の横暴を許さない闘いを強める。



                                  以上