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2011年9月20日 |
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所信表明 |
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国難打開を強調 野田首相の「正心誠意」
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第178臨時国会が9月13日開会され、野田佳彦首相初の所信表明演説が行われた。大震災と世界経済の危機という二つの危機に見舞われた「国難」の中、日本は財政危機という「国家の信用」が損われる瀬戸際にあるとして、「日本の再生」へ国民の声に耳を傾けて自らの心を正す「正心誠意」の政治を表明、政府・官僚、与野党、企業・個人が力を合せて危機に立ち向かおうと呼びかけた。
三度目の大バクチ政治の開幕だ。
演説は歴代首相の中でも地味だった。政権交代初代の鳩山首相は「政治主導・戦後行政の大掃除」「国民生活を第一とした友愛政治」を打ち出した。
二代目の菅首相も、「真の国民主権の実現」に加え「強い経済・強い財政・強い社会保障へ一体的立ち直し」を訴えて出発した。その結果は火花に終わった。
戦後行政の大掃除を嫌う官僚や原子力利益共同体の抵抗は無視できないが、「国民生活(いのち)第一」「真の国民主権」を貫くことができなかったからだ。野田首相の「正心誠意」は果たしてこの政権交代の原点に立ち返った所信であるといえようか。
首相は大震災を生きる国民に「忘れてはならないものがあります」と三回問いかけた。答えは「日本人の気高き精神」「最前線で挌闘する人々の姿」「被災者の抱く故郷への思い」の三つ。
問題はこうした「国民の心」を「国難」や「国家の危機」に短絡していることだ。その上で「国難」「危機」の打開へ、復旧・復旧のための「時限的税制措置」(臨時増税)や「更なる国民負担」(消費税増税)、原発再稼動を求める。日米同盟の深化・発展は危機打開の大前提だ。
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