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2011年10月11日 |
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急な避難解除 |
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「除染は終っていない」
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野田首相を本部長とする原子力災害対策本部が9月30日、福島第一原発から20〜30`圏内の「緊急避難準備区域」の解除を決定した。対象となった地域は広野町全域と田村市、南相馬市、川内村、楢葉町の一部で震災前の区域内人口は約5万9000人、区域内からの避難者は約2万8110人。
4月22日に屋内退避と圏外避難の指示を受けて約5カ月ぶりの解除となったが、「除染も終わっていない」「生活インフラも復旧していない」「仕事もなく暮らせない」段階の予想外の早い解除に、避難者の間に戸惑いと不信、混乱が起きている。
「原発再稼働」急ぐ政府
原発事故の完全収束の目途が実証されない段階での避難区域解除。避難者にとって最大の不安と怖れは子どもへの放射能被曝である。
南相馬市の除染作業は学校など対象237施設のうち30施設で終わったが、一般住宅は手付かず。山あいの集落が多い川内村、田村市、広野町の山林や田畑の除染ははるか先のこと。
除染しても放射性物質は残る。それでも避難区域の指定を解除したのはなぜだろう。5市町村の復旧計画は政府との「協議」で策定された。最も早く、来年3月までに帰還を目指す川内村。避難区域内2680人のうち2500人がいわき市などに避難している。村の復旧計画は逸早く9月13日に公表された。遠藤雄幸村長は、国と協議して計画を作ったことを認めている。事故収束工程表のステップ2を前倒しした解除だった。
根拠は、1〜3号機の原子炉圧力容器内の温度が100度未満になり、冷温停止状態になったからというもの。これ以上の放射性物質の放出は起こり得ないというのだ。だが、原子力安全・保安院すら冷温停止に不安を表明した。
また、国連総会や国際原子力機構(IAEA)で野田首相や細野豪志原発事故担当相が年内に前倒しで事故を収束すると公約したことが大きい。
そのため、国の除染方針は国が放射線量5ミリシーベルト超の区域や高濃度の側溝を分担、5ミリシーベルト未満は財政支援の対象外としていたが、5市町村の反発を受けて5ミリシーベルト未満も国が責任を持つことになった。
余りに政治的な避難区域解除。帰還までの損害は補償するのか、帰還できない・しない人の補償問題も未解決のままだ。
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