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 新社会党
2011年12月20日

  市民が未来を担う
    原発廃炉へ頑張ろう


原発はいらないと訴えてパレードする1000万人アクションの呼びかけ人の鎌田慧さん(左から
3人目)ほか=12月10日、東京・日比谷公園近くで
 危険な原発の速やかな停止・廃炉に向けて1000万署名の達成へがんばろうと呼びかけた集会が12月10日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれ、5500人が参加、集会後、東電本社前―銀座―東京駅前をパレードした。

 集会の司会は講談師の神田香織さん、1000万人アクション呼びかけ人でルポライターの鎌田慧さんと作家の大江健三郎さんがスピーチ、集会実行団体から駅前アクションの中尾こずえさん、生活協同組合パルシステム千葉の平野都代子さん、カトリック正義と平和協議会会長の谷大二さん、福島現地からハイロアクション福島原発の大賀あやこさん、県平和フォーラムの竹中柳一さんが心を一つに「脱原発」を訴えた。

 
鎌田慧さんのアピール  核武装の基盤

鎌田慧さん
 福島の現状や子どもたちがどうなっているか想像するだけでも、胸が痛くなります。
 しかし、問題の決着はついています。原発の新増設ができる条件はなく、現在54基のうち稼働しているのはたったの8基です。闘いいかんで停止・廃炉に向かっていきます。

 原発は政府が押し付けてきました。これに反対する力が弱く、今まで無関心すぎました。高速増殖炉「もんじゅ」と青森の核燃料再処理施設は、日本が核武装する物質的基盤です。これらがなければ日本は核武装ができません。

 脱原発を決めたドイツやイタリアは、核武装の欲望を持っていないことを明らかにしました。日本の歴代首相は、原爆は造らないとは言明していません。研究すると言っています。

 1000万署名を政府に叩きつけ、原発を止めさせ、原発に賛成する政治家を落とし、平和な社会にするために頑張りましょう。

 大江健三郎さんのアピール  後戻りはさせない

大江健三郎さん
 9月19日の明治公園の集会は6万人を超えました。自分の人生で2番目に大きい集会でした。最大の集会は2007年9月の沖縄・宜野湾公園で行われた教科書検定意見撤回を求める集会で11万人が集まられました。人口で比較すると東京で1000万人集会という大きさでした。

 1000万署名を提起したのは澤地久枝さんです。1000万なら何とかなるだろうと彼女は考えました。

 12月6日に、衆議院本会議はヨルダンなど4カ国へ原発輸出を進める原子力協定承認案を可決しました。この8カ月間可決できなかったのに、政治家の感覚は3月11日以前に戻ってしまいました。

 こういう風潮が始まったなかで、原発を廃止しようという根本的決意に立った市民の動きのみが我々の現在と未来を担っています。発言し始めた専門家、経験を語る福島の人たち、60年以上たって望みを託す広島・長崎の人たちの声に学び、お互いに声を発し、政治に後戻りさせないよう法律をつくりたい。


 
怯える福島の子どもを救え

 
中尾こずえさん  成功させたい

 3月11日から生きるということの意味を考えさせられます。私はワールド・ピース・ナウの仲間と新宿、上野、原宿などで署名集めに取り組んでいます。大塚駅では浪江からの避難者が、家族がバラバラになって生活が破壊された、何とかして欲しいと訴えられました。署名が1000万集まれば政治家も無視できません。ぜひ成功させたい。

 平野都代子さん  命が一番大事

 80年代からチェルノブイリの子どもたちを支援する活動をして、食品の放射能汚染に関心を持っていました。痛恨の思いを込めて、あらためてここから一歩を踏み出したい。本来、一番大事にしなければならないのは命です。生きとし生きるものの命を危うくする原発にノーと言わなければなりません。

 谷大二さん  脱電気エネへ

 カトリック教会は悲劇的な災害を前にしてすぐ原発廃止を求めるメッセージを発表しました。野田首相は「脱原発依存」という方針を出そうとしています。この夏は、市民らの節電努力で乗り越えられました。原発を今すぐ廃止しても乗り越えられます。「脱電気エネルギー依存」が求められています。

 大賀あやこさん  福島は「廃炉」

 この3カ月間に放射線量が上がった地域が沢山あります。除染に期待しても保管、作業の負担など困難が明らかになっています。人と人が分断され、この不安がどれほど続くのか途方にくれてしまうことがあります。福島では県議会も知事も県内10基の廃炉を表明しました。しかし、全国では再稼働が図られ、不安と恐怖が増しています。手をつなぎ合い一日も早く「脱原発」を果しましょう。

 竹中柳一さん  日本を変えよう

 3月11日以来、ずっと南相馬市に住み、5月12日以来身につけている線量計は997マイクロシーベルトになりました。一番、不安と恐怖に怯えているのは子どもと母親です。10月現在、幼稚園児から高校生まで1万1988人が県外に転出しています。3月11日から日本は変わると言われましたが全く変わっていません。一緒に日本を変えていきましょう。来年3月11日に郡山市で県民集会を開きます。世界に発信しよう。





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