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ひるむことなく原発のない社会をめざそうと訴える福島の女性ら=5月5日東京・港区の芝公園 |
北海道電力泊原発3号機が5月5日午後11時3分頃に停止し、大震災以降、国民の大多数が念願してきた「原発ゼロ」が実現した。この日、作家の大江健三郎さんらが呼びかけた「さようなら原発1000万人アクション」主催のさようなら原発5・5
(ゴー・ゴー)集会が東京・芝公園で開かれ、子ども連れの親子ら市民ら5500人が参加。
ルポライターの鎌田慧さん、作家の澤地久枝さんと落合恵子さん、経済評論家の内橋克人さん、落語家の古今亭菊千代さん、講談師の神田香織さん、原子力資料情報室の山口幸夫さん、韓国・環境財団の崔冽さんがスピーチ、北海道平和運動フォーラムの長田秀樹さんと「福島の女たちの会」の椎名千恵子さんらが現地報告をし、「脱原発」へ再スタートを誓い合った。
集会後、「ストップ再稼働」などと書いた赤と緑のこいのぼりの小旗を掲げてパレードした。
子どもにプレゼント
鎌田さんは、「原発ゼロの歴史的瞬間を一緒に祝いたい。それはこれから脱原発へ力強く踏み出していく瞬間です。一人ひとりの怒りを政府に叩きつければ絶対に政策を変えられます」と挨拶した。
内橋さんは、反省の色を見せない政府・電力会社の動きを冷静に見定め、「再稼働させて再び原発立国にする準備を入念に進めている」と警告。そして、「今日は永久にゼロにするために、政治のあり方を変え、再びのスタートを誓う日です」と注意を喚起した。
北海道の長田さんは、泊原発の問題点を告発。「日本海側に面した泊には西風が吹き、原発事故が起きると70キロ離れた札幌ばかりか北海道全体が放射能に汚染され、農林水産業や観光業が駄目になる」と訴えた。
また、泊沖から陸につながる164キロの活断層の耐震評価について、海側98キロと陸側66キロはつながっていないから支障なしと判断した北電と、再稼働の判断を国に丸投げした高橋はるみ知事を厳しく批判した。
経産省前のテントひろばで、原発いらないと訴えて座り込み、5日まで19日間のハンストに参加した福島市の椎名さんらは「子どもたちが復興イベントやマラソンに駆り出され、胸が張り裂けそう」と福島の実情を訴え、「原発ゼロは子どもたちへのプレゼント。今日は大人たちの生きる姿を子どもたちにプレゼントする日です」と決意を新たにした。
この福島の惨事に痛痒を覚えないのが原子力ムラ。八木誠電事連会長は「できる限り早い時期に再稼働」を求め、米倉弘昌経団連会長は「日本経済が崩壊する」と脅し、枝野幸男経産相は電力の需給逼迫を理由に電気料金値上げを迫る。
集会は、反原発・脱原発へ「原子力ムラを変えよう」「政策を変えよう」「政治を変えよう」との思いを共有した。
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