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2012.7.24
怒りの「脱原発」
野田政権にノー 17万人がつどう 

 
炎天下、メーン会場を「脱原発」を願う人びとが埋め、呼びかけ人らの訴えに拍手で応えた=7月16日、東京・代々木公園
 作家の大江健三郎さんら9人が呼びかけた「さようなら原発10万人集会」が7月16日、東京・代々木公園で開かれ、北海道、沖縄など全国各地から17万人が参加し、炎天下、メーンステージのサッカー場から周辺の歩道を埋めた。集会は小室等さんらのライブの合間にもタレントの永六輔さんや評論家の佐高信さんが飛び入り発言、集会の司会は講談師の神田香織さん。呼びかけ人の鎌田慧さん(ルポライター)、坂本龍一さん(音楽家)、内橋克人さん(経済評論家)、大江さん、落合恵子さん(作家)澤地久枝さん(作家)、瀬戸内寂聴さん(作家)が脱原発に込める思いを語った。また、作家の広瀬隆さん、再稼働した大飯原発3号機を抱える福井県の中嶌哲演さん、昨年9月の6万人集会に続き福島の武藤類子さんが発言した。


 呼びかけ人挨拶のトップは鎌田さん。「野田政権は、皆さんが汗と涙で集めた署名を踏みにじった。そのような内閣にノーを突きつけよう。原発にこだわっている政府を徹底的に弾劾していきたい」と訴えた。
 坂本さんは「たかが電気のために美しい日本、国の未来である子どもの命を危険にさらすべきではない。お金より命。福島の後に沈黙するのは野蛮だ」と呼びかけた。
 内橋さんは「福島の悲劇に学ぼうとしない政治家を二度と国会に送ってはならない。国民の合意なき国策はさようならと声を上げ続けよう」と提言した。
 大江さんは署名を藤村官房長官に渡した翌日に大飯3号機が再稼働したことに触れて、「私たちは侮辱されたと感じた。政府の目論見を打ち倒さなければならない、打ち倒しうる」と鼓舞した。
 落合さんは「野田政権が言う国民は誰を見ているのか。ここにきている人が国民、市民だ。原発を推進する人たちには本当の民主主義は何かを教えてあげよう」と怒り込めて述べた。
 澤地さんは「核に汚染された地球にしたくはない。日本が率先して核を捨てる選択をして欲しい。生まれてよかったと思う国にしよう」と話しかけた。
 瀬戸内さんは「私たちは税金を払っている国民だから政府に言い分があれば口を出していい。たとえ相手が聞かなくても言い続けましょう」と激励した。
 発言者の広瀬さんは「原発ゼロを条件に電気料金値上げと取引をしてもいいではないか」と提起。福井の中嶌さんは「このピンチをチャンスに変えていく時だ」と決意を表明、福島の武藤さんは「福島の現状は厳しく、分断の罠に落ち込むことなく、つながりあっていこう」と語った。


 大飯3号機のあと次々と再稼働を目論み、原発依存度15%で逃げ切りを図る政府。集会は政府の出方を見つつ、秋に集会を開くことを宣言した。
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