新社会党
  1. トップ
  2. 週刊新社会
  3. 今週の新社会
  4. 2013.03.05
2013.3.05
福島原発告訴団
東電を起訴せよ 


 福島第一原発事故の責任を問う福島原発告訴団(約1万4000人)は2月22日、東京・霞が関の東京地検に東電に対する強制捜査と起訴を求める怒りの集会を行い、バス3台で参加した福島の被災者をはじめ700人が検察庁前を埋めた。「東電を起訴せよ」「保安院を起訴せよ」「安全委員会を起訴せよ」「山下俊一(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)を起訴せよ」―。告訴団と弁護団は4万256筆の署名を東京地検に提出し、集会後、東電本社に「真実を明らかにし、その罪を認め、刑罰に服するよう」求めた。


 東京地検が告訴を受理したのは昨年8月のこと。それから半年がたつが、東電への捜査がないまま東京地検は3月に立件の可否を判断する模様だ。

 弁護団の河合弘之弁護士は、「笹子トンネル事故の何万倍の被害と悲劇を生んだ史上最大の人災だ。この国を滅ぼしかねない事故を起こした東電の役員が刑事処分されないのは不正義極まりない」と検察の怠慢を批判。弁護団としては強制捜査によってあらゆる資料を押収し、被害の実態を現場検証して、速やかに起訴することを求めている。

 集会では生活をめちゃくちゃにされた被害者と全国の告訴団支部が「魂の叫び」をあげた。原発から3キロ圏内の大熊町で農業を営んでいた女性は、「家も土地も墓も、すべて奪われた」と悔しさをかみしめた。

 事故後に静岡へ自主避難した男性は、1歳の長女を7歳の長男があやしている姿を見て「放射能がこの子たちの体の中に入ってしまったのか。全部もらってやる方法はないのか。お父さんとお母さんがずっと守ってあげる、先に死んでもずっと守ってあげるからね」と思いを打ち明け、大人の英知を傾けた対応を求めた。

 雪に覆われた郡山から来た男性(農業)も「ちょっとした事故で逮捕する時代に、こんな甚大な事故で誰も逮捕されないのはおかしい。土地は汚染され、アンタの米はいらないと言われて本当に困っている」と述べ、確かな捜査を要請した。


 最後に、告訴団を代表して福島市の佐々木慶子さんがアピールした。

 「地検のみなさん、私たちの必死の叫びが届きましたか。みなさんは誰のためにお仕事をなさっているのですか。こんなに大きな罪を犯した東電をすぐ強制捜査しないのは大きな疑問です。何が法治国家ですか。

 さんざん国民をだまし、原発事故によって福島県、日本全国、世界に放射能汚染を広げてしまいました。

 地検のみなさんはどちらを向いているのですか、原子力ムラの方ですか。これ以上、私たちを、国民をないがしろにしないでください。
 地検の力で東電に賠償させ、謝らせ、補償させ、世界に向けて堂々と正しい姿勢をみせてください」

 ↑上にもどる
一覧へ
TOPへ