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沖縄選挙区平和の1議席 糸数慶子さんに |
7月21日投開票の参議院議員選挙は終盤に入り、マスコミは一斉に自民・公明与党の過半数超えの予測報道を流している。憲法改定、原発再稼働・被害者切捨て、TPP
(環太平洋経済連携協定)推進、消費税増税、年金支給年齢引き上げ・生活保護費削減、解雇自由の限定社員制など労働法制の大改悪、日米同盟強化・沖縄への基地押し付け―。これほど国民・労働者の生存権を破壊し、日本の未来を閉ざそうとする政策を露骨なまでに掲げた安倍政権。その正体を暴露し、つくられた世論の流れを変えようと、懸命の闘いが繰り広げられている。
安倍政権が呈示する参院選の獲得目標は衆参の「ねじれ解消」。今回の改選数は、定数の半分の121議席(選挙区73、比例区48)。そこへ自民の78人をはじめ433人が立候補(選挙区271人、比例区162人) した。「ねじれ解消」には自公で63議席、自民単独過半数には72議席、改憲勢力(自民・みんな・維新)が96条改憲に必要な3分の2をクリアーするには100議席が必要となる。安倍政権は世論の動向を見て96条改憲法案を提出する時期をうかがっているが、それも長期政権となることを見越し、入念な態勢整備が念頭にあるからだ。
新社会党は社民党比例4氏(又市征治、山シロ博治、鴨ももよ、矢野敦子)をはじめ全国の選挙区で8氏、そのほか護憲候補の必勝へ全力を挙げて取り組んでいる。
沖縄選挙区では、「平和の一議席」を掲げる糸数けいこさんが7月4日、県民広場で元気に第一声を上げた。広場には、ピンクの鉢巻きやTシャツ姿の女性たちも駆けつけ、にぎやかに声援をおくった。
糸数さんは沖縄社会大衆等党公認で、社民党、共産党、生活の党、みどりの風が推薦する「全国唯一の共同候補」。この構図を生みだした力は、基地の重圧と差別に苦しむ沖縄県民の怒りと自立への悲願だ。
安倍内閣は沖縄県に、辺野古新基地建設に向けた公有水面埋立申請を提出し、知事に承認への圧力をかけ続けている。仲井真知事は、「県外移設」の主張を維持しているが、すでに自民党の県選出議員5人中2人が公約を覆し、辺野古案支持を表明。糸数さんが勝利するかどうかは、辺野古移設案の帰趨にも大きく影響する。
事実上の一騎打ちとなっている沖縄では、自公候補の安里政晃氏は、改憲とアベノミクスへの全面支持を打ち出している。しかし、普天間飛行場の県外移設論と自民党中央の辺野古案とのくい違いは「解決できない」、消費税増税は「現状では反対」、TPPは「交渉結果次第」など、あいまいにして逃げる姿勢だ。
沖縄からは社民党も共産党も比例候補を出したが、市民グループでは、オスプレイ配備反対運動の先頭に立ってきた山シロ博治氏と糸数さんをセットで応援する人が多い。
この日も、糸数さんは、夕方には山シロ候補の決起集会に駆けつけ、連帯した。(沖縄発)
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