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2013.8.27
怒りの沖縄
安保・地位協定破棄を 


 沖縄の米空軍嘉手納基地所属のHH60ヘリが沖縄本島中部のキャンプ・ハンセン内で墜落、炎上し兵士1人が死亡する事故から11日目の8月16日、同型機の飛行が開始された。さらに、事故と同時に停止していた海兵隊CV22オスプレイの山口・岩国基地から沖縄・普天間基地への追加配備も12日に再開された。事故原因が究明されないままの見切り発車に、「納得できない」「バカにするな」と県民の怒りは収まらない。本土復帰後、沖縄では44件の米軍機墜落事故があり、それでも県民の声が届かない不条理が連綿と続く。今回は米軍はもとより、日本政府の冷酷さが際立った。


 HH60ヘリの事故に沖縄県議会は事故原因の徹底究明と再発防止などが講じられるまでの同機種の飛行中止、墜落に伴う周辺地域への影響調査を求めた。
 オスプレイの追加配備については、県市長会(翁長雄志那覇市長)が抗議決議を全会一致で採択。また8月13日、04年の沖縄国際大学への普天間基地所属ヘリ墜落事故9周年に、同大学学長名で普天間基地の即時閉鎖・撤去を求める声明文を安倍首相と駐日米大使に送付した。
 問題は日本政府の対応にある。ヘリ事故直後、防衛省は原因究明と再発防止策がとられるまで同機種の飛行停止を米側に求めると表明した。だが、飛行再開が始まると小野寺防衛相は「HH60はトモダチ作戦でも活躍」「米側の運用の問題。日本が判断する筋合いではない」と開き直った。日本には拒否する権利はないのだ。昨年7月、野田首相( 当時)も「米軍にどうしろ、こうしろとは言えない」と述べている。
 今回、小野寺防衛相は「普天間基地の危険は除去で県の理解をいただきたい」と踏み込んだ。基地の危険性を除去したければ普天間基地の辺野古移設を進めること、そのために仲井真県知事は辺野古埋立て申請を許可しろと逆手にとった。


 ノーと言い続ける


 ところで、HH60ヘリの飛行再開に当たり、安倍首相は「日米合意を適切に実施していくように米側と緊密に連携をとっていく」と述べた。首相の言う日米合意は、日米同盟の根幹にある日米安保条約・日米地位協定に関わる最高度の合意を含意している。
 沖縄県民の怒りと屈辱、苦悶の矛先は、日米安保条約と米軍の野放図な治外法権、憲法停止状況を公認する地位協定の破棄に行き着く。安倍首相が使命とする改憲議論はこの超法規的な秘部には触れることなく、日米軍事一体化へ踏み込む倒錯した発想に基づいている。
 戦後68年の日本の在り方を問い続ける沖縄問題。日米両政府に「ノー」と言い続けるほかない。

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