成長戦略実行国会と命名した第185回臨時国会が10月15日に開会し、安倍首相の所信表明演説、代表質問などに続き重要法案の本格的審議が始まった。法案には日本版NSC
(安全保障会議)設置、特定秘密保護、産業競争力強化、生活保護改定、国民投票改定など、憲法の精神を踏みにじり今後の日本の進路を大きく転換する悪法のオンパレード。院内ではこれら悪法案に反対する勢力が極少数、阻止へ頼みの綱は院外の共同行動の盛り上げだ。
安倍演説は、国民の関心をアベノミクスの成否を占う「成長戦略の実行」へ誘導することに意を用いた。そのため、憲法改定へステップを踏む最重要法案でありながら、特定秘密保護法案や集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈の見直しには言及しなかった。
そもそも、所信表明演説は時代認識と政治姿勢を表明するもの。だが、安倍演説には時代認識ゼロ。一方、政治姿勢は「強靭な国」「世界で一番企業が活躍しやすい国」「強い国」「積極的平和主義の国」と国尽くしだ。
安倍流の危うい国づくりが露出した。その入り口にデフレ脱却=「成長戦略の実行」の道標を掲げた。国民を「この道しかない」と誘い、その実現へ「意思の力」を求めた。
臨時国会の焦点
国会の論戦では東電福島第一原発事故関連(汚染水、収束宣言、破綻処理、原子力政策)、震災復興、TPP、消費税、特定秘密保護、生活保護、法人税減と賃上げ、解雇特区などの課題が争点となっている。
命か利潤か、平和か戦争か。焦点は明確。国会前では連日、秘密保護法案反対の抗議行動が展開されている。
「この臨時国会で秘密保護、原発、沖縄、TPP、労働、貧困などあらゆる分野で『闘う人びとの意思』を総結集し、大きな共同行動を実現しよう」(新社会党長南博邦書記長)
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