「3・11は今も続いている」。
東電福島第一原発事故から3年がたち、政府が被害の風化策を進め、原発再稼働へ暴走する中、「フクシマを忘れない!さようなら原発集会」が3月15日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれた。女優の木内みどりさんの司会で、武藤類子さんの「福島からの報告」をメーンに作家の大江健三郎さん、澤地久枝さん、元宇宙飛行士の秋山豊寛さんがアピール、さらに被ばく労働を考えるネットワークのなすびさんと原子力発電に反対する福井県民会議の松下照幸さんの報告と続き最後にルポライターの鎌田慧さんが集会を閉めた。集会後、参加者5500人がデモ行進した。
武藤さんは福島の実情を報告した。
「第一原発から大量の放射性物質が空と海へ流れだし、田畑や道沿いに除染で出た袋が積まれ、子どもたち74人が甲状腺癌・疑いになり、農林水産業は安全と復興の矛盾を背負わされ、仮設住宅では抑うつ状態が蔓延し、賠償を打ち切られて帰る家は壊れ、切実な声は無視・矮小化され、人びとは疲れ、諦め、モノ言わぬ民にされています。3・11は今も続いています。忘れたい、忘れるものかのせめ合いの中で、現実から目を背けたらうわべだけの復興に躍らされ、秘密保護という目隠しをされて黙って生きる道へと誘われていきます。生きることを喜びとしながら頑張っていきたい」
大江さんは「安倍首相は責任という言葉をよく使うが、本当の責任をとるとは次の世代に、人間らしく申し訳ないと考えること」と話した。澤地さんは「この国の内閣は狂っている。フクシマを完全に忘れようとしている。ぼんくらな政治家ばかりのこの国は世直ししなければならない」と世代を超えた頑張りを呼びかけた。
18年間、福島でシイタケ栽培をした秋山さんは、今は京都在住。「フクシマは現在進行形。再稼働を推進する自治体首長、国会議員を恐怖せしめよ。不当への怒り、悔しさを声に、声を行動にしよう」と励ました。
被ばく労働の非人間性を告発し続けるなすびさんは、「労働者の7割が地元福島。誰かを犠牲にする社会を拒否しよう」と訴えた。福井の松下さんは「町民の本音は脱原発。全国の人たちとつながりたい」と連帯した。
集会最後に、鎌田さんは「再稼働がなければ避難も帰還もない。細川、小泉、鳩山、菅と歴代首相が脱原発を掲げて厭戦気分。原発反対の声が保守にも広がっている。今月末、川内原発再稼動に反対し国会へ駆けつけよう」と提起した。
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