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2014.04.01
さようなら戦争
全国署名始まる


 憲法を破壊する集団的自衛権の行使容認に反対する「戦争をさせない1000人委員会」の発足集会が3月20日、東京都内で行われ、冷たい雨がぱらつくなかを4000人が参加した。1000人委員会はノーベル賞作家の大江健三郎さんら16氏が発起人となって呼びかけ、賛同者はたちまち100人を超え、今後は全国に賛同の輪を広げ、賛同者1万人と「戦争をさせない全国署名」1000万筆を目指して活動することが提起された。


 開会挨拶に立ったルポライターの鎌田慧さんは、「さようなら原発に続き、今度はさようなら戦争だ。安倍首相の靖国神社参拝は集団的自衛権の行使による自衛隊員の死を露払いするもの。すでに原子力基本法や宇宙開発基本法に『安全保障に資する』という文言が加えられ、核の平和利用から軍事利用に転換した。平和な日本を取り戻すために安倍政権の野望を止めよう」と力強く訴えた。
 続いて民主、社民、生活、共産の各政党から連帯挨拶。その中で、沖縄出身で社民党の照屋寛徳衆院議員は、「ウチナー(沖縄)は戦後も人間の尊厳を奪われて戦争状態に置かれている。力を合わせて戦争国家への道を許さない1000人委員会を全国津々浦々に組織しよう」と呼びかけた。
 1000人委員会事務局長の内田雅敏弁護士が、3月16日の委員会発足以降の経過を報告。「平和憲法と日米安保条約体制との奇妙な同居の中、どうしても崩せなかった集団的自衛権の壁を崩そうとしている。不戦を誓って出発した戦後の否定は絶対に許せない」と述べた。
 そのあと、大江さんは「今の日本には希望はないのか。しかし、若い世代、次の世代は世界を変えることができる、生き方を変えることができる。皆さんも希望を持つことができる。集団的自衛権行使容認の閣議決定を承認しないで、平和憲法を持ち堪え、明日の生き方を引き出そうではありませんか」と語りかけた。
 一橋大学名誉教授の山内敏弘さんは、「集団的自衛権の行使容認は憲法の基本原理である立憲主義と平和主義を破壊しようとするものであり、断じて許すことはできない。日本が再び侵略国家になることを意味する」と集団的自衛権の持つ憲法学的意味を解説した。


 「総理のお尻ピンピン」


 06年4月に派遣先のクウェートで米軍の車両に跳ね飛ばされて負傷しながらまともな治療も受けられず、帰国も許されず後遺症に苦しみ、ついに裁判に立ち上がった元イラク派遣航空自衛隊員の池田頼将さんが登壇。「二度と事故、いじめ、自殺がないように闘っていく」と決意を述べた。
 脚本家の小山内美江子さんは、「一人カッカと熱くなっている日本の総理。あっちこっちで嘘を言われたら、日本人は嘘つきだと思われて困る。誰かがお尻ピンピンしてくれないといけない」とユーモアたっぷりに話した。
 作家の落合恵子さんは、「こんなにもひどい時代と社会を迎えるために私たちは今日まで生きてきたのですか。私たちは心を込めて、無念さを込めて、絶望の真ん中にある希望を決して手放さないこと」と励ました。
 評論家の佐高信さんは、「山口組の組長が遠藤顧問弁護士に右と左を分ける目印は何かと聞くと、遠藤はこの間の戦争を侵略とみるかどうかだと答えた。組長はそれは侵略ですよ、他人の縄張りに踏み込んだのだからと言った。安倍は暴力団以下だ」と喝破した。



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