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2014.04.08
大荒れ ワタミ裁判
口先だけの「謝罪」


 大手居酒屋チェーン「和民」で正社員だった森美菜さんが過労自殺した事件(08年6月、当時26歳)で、遺族がワタミと当時社長だった渡辺美樹参議院議員らを損害賠償請求で訴えた裁判の第2回口頭弁論が3月27日、東京地裁で行われた。裁判後の報告集会は今後の支援態勢を確認した。2月の第1回口頭弁論では、原告である美菜さんの両親、豪さんと祐子さんが意見陳述。ワタミ側は渡辺元社長ら被告4人が欠席、両親はワタミの過重労働や経営陣の不誠実な対応を批判、ワタミ側が裁判所に提出した答弁書は安全配慮義務違反を否定、遺族側は反論していくことを明らかにしていた。


 法廷に渡辺美樹元社長


 口頭弁論の開始30分前、705号法廷入口は異常な興奮に包まれた。ワタミが動員した黒背広の管理職たちが、ボードを持った危機管理室長と見られるリーダの点呼を受け、入口で半円形に扉を囲んだ。森さんを支援する傍聴者の入廷を妨害する挙に出たのは明らかだった。
 たちまち、妨害行動を非難する怒号が飛び交った。1時15分頃、法廷の扉が開くと一般傍聴者の声を無視して、ワタミ管理職は我先に法廷になだれ込み、41席の半分以上を占拠。この頃になると一般傍聴者は100名あまりに膨れ上がった。報道関係者も座れず、40名あまりが法廷の後方で立ち尽くした。
 開廷10分前、被告の渡辺元社長と桑原豊社長が入廷した。すかさず東部労組の須田光照書記長が「渡辺さん、あなたが動員した管理職は被告席に座らせ、他の人たちを退場させることがないように」と抗議したが、ニヤッとして無視。開廷前に、やっと裁判所の指示でワタミ管理職の大半が退場した。
 裁判は、次回までの書面提出などの事務手続きを確認した。そのとき突如、被告側弁護士が渡辺元社長の意見陳述を求めたいと裁判長に申し入れた。渡辺元社長は証言席に立ち、持参した書面を読み上げた。「道義的責任は感ずるも法的責任については裁判にゆだねる」というもので、真の責任は認めなかった。同日の渡辺元社長のフェイスブックは、意見陳述と傍聴を妨害したのは原告の傍聴者だと非難した。法廷での謝罪とは裏腹に反省は微塵もない。


 裁判所は、次回から傍聴券の配布などを考慮するという。次回、第3回口頭弁論は5月19日(月)13時30分〜東京地裁631号法廷


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