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 2014.05.20
安保法制懇
明文改憲へ同時並行


 安部首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が5月15日、集団的自衛権行使の容認へ憲法解釈の変更を提言する報告をした。これを受けて安倍首相は「基本的な方向性」を示し、個別的自衛権の範囲内での対応を求める公明党を抱き込み、秋の臨時国会での閣議決定、自衛隊法など必要な法改正を行う方針を明らかにした。石破自民党幹事長が訪米して約束したように、集団的自衛権行使が可能となるのは1、2年後。あまりにも牽強付会な憲法解釈の変更と同時に改憲手続きである国民投票法を改定し、明文改憲に向けたシステム整備が進んでいる。


 安保法制懇の報告は集団的自衛権行使の容認へ6つの条件を提言した。@密接な関係にある国が攻撃を受けるA放置すれば日本の安全に影響があるB攻撃された国から行使を求める要望がある。以上3つの条件をそなえた時、C首相が総合的に判断するD原則国会の事前承認を受けるE別の国の領域を自衛隊が通る場合、その国の許可を得る。
 報告が想定するのは朝鮮半島有事。朝鮮民主主義人民共和国が米艦艇や米本土を攻撃した場合を想定、「別の国」とは韓国のこと。だが、密接な関係のある国には自由と民主主義の価値観を共有する韓国、豪、フィリピン、インド等が念頭に置かれている。
 報告を受けて安倍首相は「基本的な方向性」を示し、集団的自衛権に関する6例、集団的安全保障(PKO等)に関する2例、グレーゾーンとして2例の事案を例示した。
 もっとも、石破幹事長が「限定した事例からスタートし、さらに広げることができる」と明言したが、今回の事例はあくまでもスタートに過ぎない。安倍首相がNATOですり合わせてきたように、将来は地球の裏側まで自衛隊を派兵することになるのは必至だ。


 集団的自衛権の解釈変更は、9条をはじめ明文改憲へのステップ。最終目標は「戦争のできる国」だ。明文改憲への国民投票は、2016年の衆参両院選挙の結果を見て、一気に動き出す。このまま憲法解釈変更の閣議決定をさせてはならない。

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