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 2014.06.24
解釈で憲法を壊すな
署名175万筆を提出


 憲法解釈による集団的自衛権行使容認の閣議決定を急ぐ安倍政権は6月13日、連立維持を最優先する公明党に武力行使の新3要件を示して抱き込みに王手をかけた。日米同盟を外交・安保政策の基軸とする自民党、その「下駄の雪」と揶揄されてきた公明党。飯島薫内閣官房参与のワシントン講演における公明・創価学会= 「政教一致」発言によりあっけなく腰が砕けてきた。この一突きを機に閣議決定へ弾みをつける安倍政権に対し、「戦争をさせない1000人委員会」は6月12日、安倍首相と衆参両院議長に175万筆の全国署名を提出し、東京都内で3000人規模の集会を開いた。


 歴代自民党政権が踏襲してきた個別的自衛権の「3要件」に代わり、安倍自民党が6月13日に示した「新3要件」は、それまで否定されていた集団的自衛権行使に公然と道を開くものになった。
 ポイントは第一の要件。「我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあること」に変わる。
 72年の政府見解「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされる急迫、不正の事態」との明らかな違いは2点。「急迫、不正の事態」を「武力攻撃発生」の事態とし、自国や米国以外の「他国」全般に及ぶ事態を想定していること。そして、「国民の生命、自由」などが覆される「おそれ」をも条件にしたこと。
 この新要件を既定の方針とするように、安倍首相は日本の石油タンカーが航行するペルシア湾の機雷掃海活動に参加する意向を示した。だが、集団的自衛権行使の範囲は政府の示した事例、地域を飛び越えて拡大することが予定されている。
 さて、12日の集会では主催者を代表して鎌田慧さん(ルポライター)が「戦後69年間、日本人は戦争をしないという誓いの下で、一人も殺し、殺されることもなく、アジアの人々と仲良くしてきた。それを安倍首相がご破算にし、『美しい国』を『醜い国』にしようとしている」と述べ、世界から信用される日本にしようと呼びかけた。


 国会から民主、社民、共産、生活の各党が連帯の挨拶をした後、大江健三郎さん(作家)、落合恵子さん(作家)、香山リカさん(精神科医)、澤地久枝さん(作家)、菅原文太さん(農業生産法人代表)、樋口陽一さん(憲法学者)が発言した。
 大江さんは「日本が戦争に巻き込まれ、殺し殺されても安倍首相は反省しないだろう。むしろ勇敢な青年のために復讐しようと言い始めるだろう。放ってはおけない」と激励。菅原さんは子どもの頃の戦争体験から「戦争はよくない。一緒に戦争反対の気持ちを今日、明日、明後日で終わらせずに闘い続けよう」と語りかけた。

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