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 2014.08.19
ノーモア・ウォー
69回目のヒロシマ・ナガサキ


 核兵器は「絶対悪」 戦争をしない誓い
 8月6日、9日、15日。広島、長崎に原爆が投下され、敗戦を迎えた日である。69年目の6、9日には広島と長崎の市長が「平和宣言」を読み上げ、首相が挨拶した。今年は戦後政治に大きな転換点が刻まれた。安倍政権が憲法解釈上タブー視されてきた集団的自衛権の行使を認め、「戦争のできる国」へ踏み出したからだ。原爆被害は、日本の侵略戦争の一つの帰結。一瞬にして21万の人命を奪った原爆の非人道性を糾弾し、核兵器の廃絶とともに、核の平和利用という欺瞞が暴かれた原発の廃炉を求め、究極的には戦争のない世界の平和を希求することが広島、長崎ばかりか全国民の声とならなければならない。中東やアフリカで、あるいはウクライナで戦火が絶えない今こそ、平和憲法を持つ日本政府には「ノーモア!ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ・ウォー」を世界に発信する責務がある。


 松井一実・広島市長が読んだ「平和宣言」は、被爆者の凄絶な声を採り入れてあの日の記憶を継承する。
 「子どもたちから温かい家族の愛情や未来を奪い、人生を大きく歪めた『絶対悪』をこの世からなくすためには、脅し脅され、殺し殺され、憎しみの連鎖を生み出す武力ではなく、国籍や人種、宗教などの違いを超え、人と人の繋がりを大切に、未来志向の対話ができる世界を築かなければなりません」と核兵器も戦争もない世界の構築を呼びかけた。
 田上富久・長崎市長が読んだ「平和宣言」は、政府に「核兵器のない世界の実現のために、いつまでに、何をするかについて、核兵器の法的禁止を求めている国々と協議する場をつくり、対立を超える第一歩を踏み出してください」と要請した。
 長崎宣言はさらに踏み込み、集団的自衛権の議論に言及、「『戦争をしない』という誓いは、被爆国日本の原点」とし、「その原点がいま揺らいでいるのではないか」と懸念を伝え、政府に真摯に向き合うことを求めた。
 広島、長崎の「平和記念式典」に出席した安倍首相の挨拶は、昨年のコピペ(文章の切り貼り)に終わり、失望をかった。挨拶文に使われた「平和」の言葉は2回。その一つは「積極的平和主義」だ。戦争への道を突き進む首相にとって「戦争による平和」が信念。同じ哀悼の言葉でも、靖国神社に祀られている兵士=英霊と原爆犠牲者への哀悼は区別されている。
 


 被爆が原因の死者は広島でこの1年間に5307人、累計19万2719人。長崎は同じく3355人、16万5409人になった。
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