米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)を名護市辺野古に移設する工事に反対する「止めよう新基地建設!県民大行動」が8月23日、辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前であった。会場前は、3600人を超える県民の怒りで埋め尽くされた。1週間足らずの取組み期間にもかかわらず、予定した規模の2000人をはるかに超えて県内各地から集まった。同時刻、東京では首相官邸前で「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」の呼びかけで抗議集会が持たれ500人が参加した。
県民大集会に参加するために実行委員会がバスを手配したが、那覇市では200人、沖縄市では150人が乗れなかった。追加配車に尽力した実行委員会から「これ以上の追加はできない」と報告されたとき、期待して最後まで残った人たちから、ねぎらいの拍手が起こったという。
一坪反戦地主会関東ブロック元代表の上原成信さんは、「続々と結集する人たちの表情の明るさが印象的…」と集会直前の様子を報告。『沖縄タイムス』の儀間北部報道部長は、「その瞬間、かすかに鳥肌が立った。…ゲートに沿って延びる歩道を長々と埋めた3600もの人々の声は、遠く、近く、幾層にもなって響き渡り、
空気を揺らした」と、集会開始の瞬間を記事にしている(8月24日付)。読谷村から参加した河野さんは、「人口の一桁多い東京なら3万6000人の集会、だれもが明るい表情になったのは当然。主催者は1000人以上をめざしてたのですから。…夏休みだから子ども連れも多く、『ジュゴンを守ろう』『海を壊すな』『自然を残そう』のシュプレヒコールには、小中学生も大声を出していました。小中学生と一緒に叫ぶなんて初めて」と、感想を寄せた。
那覇市から参加の長堂さんは、「たくさんの県民がいるので工事車両は出入りできません。やっぱり多くの人が詰めかけるのは力ですね。第2波、第3波とつないで、市民の底力を見せつけ、中止に追い込みたいです」と言う。
東京官邸前で怒り共有
東京の官邸前集会では、辺野古の現地闘争に駆けつけた仲間が次々にマイクを握った。最後に沖縄現地との電話中継が行われ、崎原盛秀さんが穏やかな語り口ながら「安倍政権打倒に向けた闘いが今日沖縄から始まった」と辺野古ゲート前集会を報告、参加者は沖縄と怒りを共有した。
かつて安保・三池闘争では、当時の総評が全国オルグ団を現地に派遣し闘争を支えた。72年の沖縄闘争では、高原闘争を組み、連日のデモが国会を包囲した。
今それを望むことはできないが、どの地域にも辺野古と高江を訪ね交流を持ってきた人たちがいて、草の根の活動を支えている。辺野古18年、高江8年の闘いは、間違いなくこうした活動家を全国に輩出していったのだ。そのなかから生まれる新たな質を持った連帯に希望をつなぎたい。
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