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 2014.11.4
女性閣僚ダブル辞任
安倍政権に逆風


 安倍政権は峠を越えた。2012年12月の発足以来、目先を変えた政治手法で追い風を呼び込んだ政権に、女性2閣僚のダブル辞任の逆風が襲った。内閣支持率は48・1%と前月から6・8ポイント悪化(共同通信)し、イタリアのミラノで開かれたアジア欧州会議のビジネスフォーラムで安倍首相は「3本の矢で日本を覆っていた暗い重い空気は一変した」とアベノミクス効果(景気回復)を自賛したが、国民の84・8%が「実感していない」と答えている。12月の消費税再増税判断が政権の命取りになるのは請け合いだ。


 第二次安倍改造内閣の看板は5人の女性閣僚。「女性が輝く社会をつくる」うえでスター的存在だった。5人うち比較的安倍色の薄い小渕優子経産相と松島みどり法相の2人が政治資金規正法と公職選挙法違反の疑いで辞任に追い込まれた。
 その理由について小渕氏は「政策を停滞させてはならない」と弁明し、松島氏は「安倍内閣の足を引っ張ることはできない」と述べた。とくに小渕氏は原発再稼働に対する国民的反発を懐柔する役割を期待されていただけに、安倍首相も「任命責任」を認め、国民に陳謝した。そして、後任に「適材適所」の宮沢洋一元内閣副大臣を指名したが、宮沢氏の資金管理団体がSMバーに支出していたり、東電株を600株保有、経産相としての資質が問われる破目に陥った。
 同時に、片山さつき参院外務防衛委員会委員長が政府側答弁資料をもとに委員会議事を進めていたことが発覚するおまけがつき、劣化した政治の惨状を国民に見せつけた。
 残った3人の女性閣僚は安倍首相肝いりのタカ派大臣。日本会議国会議員懇談会、日本の前途と歴史教育を考える議員の会、神道政治連盟国会議員懇談会、みんなで靖国神社を参拝する議員の会、憲法調査推進議員連盟、創生「日本」、日教組問題を究明し、教育正常化実現に向け教育現場の実態を把握する議員の会、北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟、米・ニュージャージー州「スターレッジャー」に「慰安婦」否定の意見広告、人格教養教育推進議員連盟などの主要メンバーだ(子どもと教科書全国ネット21の俵義文氏)。
 安倍首相はこれら議連の会長、顧問格。ちなみに小渕氏は「神道」「靖国」、松島氏は「神道」「改憲」の2議連のみに名を連ねていた。残留3人組のタカ派度はダントツだ。
 改憲準備内閣ともいえる第二次安倍改造内閣。目の前に消費税再増税、成長戦略、原発再稼働、対中国・韓国・朝鮮などのハードルが待ち受ける。これを「戦争のできる国」を政策基調に乗り切るのは困難、政策破綻と政権失墜は必至だ。

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