沖縄県知事選の投票日が16日に迫った。告示後の11月1日には、那覇市のセルラースタジアムでオナガ雄志候補の決起集会「うまんちゅ(民衆)1万人大集会」が開かれ、集会名称を5割近く上回る1万4800人が参加した。過去のあらゆる選挙でもなかった参加者数だ。沖縄の世論に地殻変動が起きている。
オール沖縄≠ェ「本土」を変える
「沖縄の自己決定権」「基地は経済発展の最大の阻害要因」を訴えるいわゆる「オール沖縄」の成立する背景について、新崎盛暉沖縄大学名誉教授は次のように指摘している。
「『オール沖縄』というのは、単に、政治的な保守・革新を超えて、という意味ではない。様々な多様性を持ち、内部矛盾を抱えながらも、抑止力とか、負担軽減とか、軍事的な地政学上の優位性とか、沖縄振興策という言葉の持つ欺瞞性を実感し始めた人たちが、社会の大多数を占めてきたということである。それは、沖縄戦を起点とする沖縄現代史の、民衆抵抗闘争史の集積の結果である」(2013年12月23日付『沖縄タイムス』)。
辺野古での工事着工強行以来、「本土」各地で取り組まれている沖縄に連帯する集会や行動も、連日のように数え切れない数に上っているはず。そのなかには必ず、辺野古・高江・普天間の現場を訪ね交流してきた人たちがいて、草の根の活動を支えている。沖縄民衆運動の地殻変動は、「本土」の世論をも確実に変えつつある。
辺野古新基地は、安倍政権の進める「集団的自衛権」をめぐる目下の核心的現場だ。県知事選は、オナガ候補の圧勝を勝ち取らなければならない。しかし、そのことのみで辺野古新基地建設が簡単に止まるわけではない。
知事権限の行使を柱に、あらゆる叡知と行動の集中が求められる。なにより辺野古現地の闘いを支えること、そこに「本土」からの連帯の力も問われるはずだ。そして安倍政権を打倒に追い込むこと、それが沖縄への最大の連帯であることを忘れないようにしたい。(東京・毛利孝雄)
|