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2015.02.17 
牙むく安倍政権
参院選後に改憲投票


 2月11日の「建国記念日」を前後して政治はアベカラー全開の荒れ模様だ。憲法改正の国会発議と国民投票実施時期を、政権として来年7月の参院選後に見据え、テーマを環境権、災害等緊急事態、財政健全化に絞り何回かに分けて改定していく考えを鮮明にした。世論調査(朝日・東大の共同)では「憲法改正」に賛成が有権者33%に対し、全国会議員の84%と国会と国民の亀裂が深まっているなか、安倍政権は参院選で発議に必要な3分の2の議席を確保し、秋の臨時国会で改定原案を審議・可決、17年前半には国民投票にかけるシナリオを描いている。期限は、国民が政権を見離すだろう消費税再増税の17年4月まで。この4月の統一自治体選挙は、こうした政治の流れを念頭に、護憲派の裾野拡張へ全力を挙げたい。


 今国会冒頭の所信表明演説を止めた安倍首相は、憲法改定への道筋を1月5日の年頭会見でデッサンして見せた。憲法改定は自民党の総選挙公約通りに実施すると予告、とくに戦後70年の首相談話と集団的自衛権行使へ安保法制の整備を力説した。「戦争のできる国」を目指しながら、「国民の命・暮らし・財産を守るため」という欺瞞が素通りする政治、社会が前提の発言だ。
 憲法改定も安保法制の整備も国内問題で完結しない。安倍首相の「積極的平和主義」にアジアをはじめ世界が注目している。日本が憲法9条をかなぐり捨て、戦争国家へ変貌する際の証文が歴史認識を巡る安倍談話だ。
 安倍首相は年頭記者会見でこう述べた。
 「先の大戦の反省、戦後の平和国家としての歩み、アジア太平洋地域や世界にどのような貢献をしていくのか、英知を結集して新たな談話に書き込む」
 反省―歩み―貢献をつなぐ談話を有識者会合で練り上げるというのだ。首相が「全体として引き継ぐ」という村山談話(1995年)の「反省」(「植民地支配と侵略」「痛切な反省」「心からのお詫び」)は換骨奪胎されるだろう。そして「平和国家の歩み」を歴史の倉庫に入れ、「貢献」は「積極的平和主義」による「国際貢献」を誇示するものとなるだろう。
 この歴史認識を日本の自己認識とし、この理念に基づいて安保法制の整備と憲法改定作業が進むことになる。


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