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  4. 2017.07.04
 
日弁連が院内集会「共謀罪法」廃止へ
「闘いの始まり」


 共謀罪法(組織犯罪処罰改定法)が6月15日の参議院本会議で強行可決・成立した。全国で廃止の闘いが始まっている中、日弁連は6月21日、参院議員会館で「いわゆる共謀罪に関する院内学習会」を開き、廃止に向けた課題と取組みを確認した。


 「乱用防止、盗聴を対象にさせない、プライバシー保護に関する制度改革」などが課題


 学習会には150名余が参加、日弁連の吉岡康裕副会長が法案の強行採決の異常さを指摘するとともに「成立は終わりではなく、闘いの始まり」と冒頭挨拶した。続いて立命館大学大学院法務研究科の松宮孝明教授が講演した。
 松宮教授は講演で、法案採決に関する問題点と運動の課題を提起した。採決に関して国会法56条の3条にある「中間報告」の「特に必要があるとき」とされる説明がないこと、「議院が特に緊急を要すると認めたとき」の手続きがないことを指摘し、共謀罪法に成立過程に重大な瑕疵(かし)があると指弾。
 また、多くの人が①共謀罪法を未だに「テロ対策」と思っている②国際組織犯罪防止条約(TOC条約)がテロ対策条約と思っているとし、この誤解を解く活動の強化の必要性を強調した。
 さらに、現在の共謀罪法の運用責任者は警察庁の中村格組織犯罪対策部長であり、元TBS記者の山口敬之氏のレイプ事件の逮捕状執行を止めた人物と指摘、共謀罪法が恣意的濫用の恐れがあることを注意喚起した。
 基調報告した日弁連共謀罪法案対策本部副部長の海渡雄一弁護士は、今後の課題として①共謀罪法は憲法、国際人権法違反であり、法の廃止を目ざし、その実現までの間は濫用防止の修正を求める、②通信傍受(盗聴)を共謀罪の対象とさせないこと、③プライバシー保護に関する法制度改革や情報機関に対する監督機関の設立の作業、④共謀罪に関わる弁護士の活動の経験交流や弁護指針の作成の4点を上げた。
 最後に日弁連の小川達雄副会長が閉会挨拶に立ち、改めて共謀罪の問題点を指摘するとともに廃止に向けた活動の方針を述べた。 共謀罪法案廃止の運動は、日弁連など法律家団体、政党や議会の闘いと大衆運動を結合し粘り強く進めることが大きな課題だ。


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