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伊方3号機 |
運転差止め命令 |
広島高裁「来年9月まで」
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差止めを求めた仮処分申請の即時抗告審で広島高裁(野々上友之裁判長)は12月13日、広島地裁の申立て却下を取消し、来年9月までの運転差し止めの仮処分を決定した。
広島、愛媛両県の住民が仮処分申請の即時抗告審で運転差止めを求めたもので、決定は「阿蘇山の過去の噴火で火砕流が到達した可能性は十分小さいといえず、原発の立地は認められない」とした。再稼働差止め訴訟が高裁段階で勝利したのは初めてで、画期的だ。
原発再稼働は、これまで九州電力川内原発1、2号機、関西電力高浜原発3、4号機と伊方3号機。伊方3号機は、現在定期検査中で1月の再稼働を予定していた。広島高裁の決定は、伊方原発から130キロ離れた阿蘇山で9万年前に起きた巨大噴火に伴う火砕流の危険を検討し、「立地不適」として停止を命じたもの。
決定は阿蘇山の大噴火の可能性から導き出した結論だが、これまでの原発訴訟と同様、原子力規制委の「新規制基準」そのものは合理的としている。
原発裁判には、原子力規制委の新規制基準そのものが安全を担保としたものではないこと、想定される地震の揺れである「基準地震動」の策定方法、原発立地自治体の同意の範囲、原発事故に伴う避難計画の非現実性と計画の自治体への丸投げなど様々な論点があるが、判決はこれらには触れていない。
そうした課題はあるものの、広島高裁の判断は今後の原発裁判に大きな影響を及ぼす可能性もあり、脱原発・再稼働反対運動の広がり・盛り上がりにもかかっていると言える。 |
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