2018.05.01
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財務次官セクハラ |
次官辞職で解決せず |
痛み想像できぬ政府
テレビ朝日の女性記者に対するセクハラで世論の厳しい批判を浴びた財務省の福田淳一事務次官は4月18日、麻生太郎に辞任の意向を伝え、記者会見して辞任を表明した。
しかし、「福田の人権はなしですか?」と、あまりにも非常識な言葉で福田氏を擁護し続けてきた麻生太郎財務相の姿勢は、辞任表明後も変わりない。
福田氏の辞任の理由も「仕事が続けられない」からというもので、「関係者に御迷惑をおかけした」と麻生財務相や財務省に対しては「謝罪」したものの、被害者には何の謝罪もなく、なお裁判で争うと居直っている。
また、被害者に「名乗り出ることがそんなに苦痛か」「週刊誌に言い、弁護士になぜ言えない」と公言した麻生財務相らの姿勢は、セクハラ被害者の恐怖感、痛み、将来への不安など想像する事さえできないことを示した。
一方、被害者は週刊誌に話す前にテレビ朝日の上司に相談していたが、取り上げられなかったという。東京新聞の望月衣塑子記者も、安倍首相の御用ジャーナリスト山口敏之氏による詩織さんへの準強姦罪(当時)の逮捕状について、新聞での報道がなかなか進まなかったと証言している。
福田氏の「辞任」は何ら問題解決につながらないし、むしろ「辞任」の仕方自体に怒りの声は広がっている。任命責任者の麻生財務相も辞任すべきだ。
野党の女性国会議員を中心とした「#MeToo」行動や、財務省の「調査方法」は不当とするネット署名も2日間で2万7000筆を超えた。野田聖子総務相も財務省の感覚の低さを指摘した。
日本社会では、教育・生活・労働のあらゆる場で「男女平等」の意識が低く、セクハラに対しても「それくらいは我慢できるだろう」とか、「長い物には巻かれろ」などの容認派が女性も含めてなお多い。
今回の問題を契機に、セクハラはもとより「男女平等」「ジェンダー」「LGBT」などへの共通認識の社会的な確立が求められる。 |
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