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2018.06.05
 
働き方改悪法案
採決を強行 ~『命守れ!』の声を無視~
   安倍政権が最重要法案とする「働き方」関連法案は5月25日、衆院厚生労働委で自公両党と維新などの賛成多数で強行可決された。与党は31日の衆院本会議で可決、会期内の成立を目論む。
 「命を大切にしろ!恥を知れ!」、採決時に野党議員は高鳥修一委員長を取り囲んだ。傍聴席の最前列で見守り、遺影を手にした「全国過労死を考える家族の会」の遺族らは目を潤ませた。 
 「働き方」関連法案について主要企業100社のアンケート(共同通信)では、「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ制度)に賛成する企業は28%。裁量労働制の対象拡大も賛成は35%に留まる。そして、直接関係する労働組合もそろって反対。「働き方」関連法案は、経団連と官邸が主導するが、安倍晋三首相は、官邸主導を隠す。衆院厚労委の採決前に「過労死家族の会」が求めた面談も首相は拒否した。
 加藤勝信厚労相は、はぐらかし答弁で「審議時間消化」に終始。与党は、「審議を尽くした」と開き直った。
 法案の策定の根拠となる労働時間調査では、「裁量労働制に関する調査データ不備」で安倍首相が謝罪、法案撤回に追い込まれたが、その後も一般労働者に関するデータ不備が見つかった。さらに強行採決の朝にもデータミスが発覚した。
 「働き方」関連法案は性格の異なる8本の法案を一括し、論点は多岐にわたる。しかし委員会審議は、当初から30時間を目安とし、わずか33時間余。時間の多くは厚労省の不手際の追及に費やされ、審議が尽くされたなどと言えるはずがない。
 法案の柱である「高プロ」に議論が集中。そのため残業時間の罰則付き上限規制、非正規雇用の待遇改善を進める「同一労働同一賃金」などの質疑はほとんど行われなかった。