2018.07.10
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イージスアショア |
配備するな |
政府・防衛省が「ミサイル防衛強化策」と称して導入を強行しようとしている地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の秋田配備について菅義偉官房長官は7月1日、秋田市での講演で「米朝首脳が非核化で合意したことは極めて重いが、北朝鮮の数百発のミサイルが日本を射程内に置いていることも事実」と配備を強行する姿勢を露骨にした。そうした中、朝鮮半島の平和への動きの現実化に伴い、配備への疑問と反対は秋田市全体に広がっている。
秋田は住宅が隣接 市民に不安広がる
小野寺五典防衛相が5月、「秋田、山口両県が配備候補地」と明言し、秋田市では予定地となる陸上自衛隊新谷演習場に隣接する新屋勝平地区振興会(約4400世帯16町会の町会長の集まり)は5月28日、穂積志(もとむ)秋田市長に「要望書」を提出した。
要望者は、「イージス・アショアが配備されれば、核攻撃の標的となる恐れが絶無とは言えない」とし、新屋勝平地区振興会の方針は、「安心して暮らせる地域づくり」で、防衛当局との面談では意向の尊重を求めている。
要望書はまた、「朝鮮戦争終結に向けた動きや米朝の和解に向けた動き等、変化が現れ戦争が回避される可能性が出てきた。情勢を見極めることが大切」と指摘、「米朝ミサイル戦争が勃発すれば、地上イージス秋田基地はミサイル攻撃の標的となる」と懸念を表明し、「市全域が廃墟となるような事態が起きないよう取組みの強化を」など求めている。
こうした中、防衛省の福田達夫政務官は6月1日、秋田県庁で佐竹敬久知事、穂積秋田市長に「配備の最適候補地と位置づけた」と伝えた。
秋田市議会は6月定例会で「具体的かつ丁寧な説明を求める」申入れ書を防衛省に提出。県議会の全員協議会では自民党県議も「マスコミ報道があってから半年、何の説明もなかった。人家が近くても最適地なのか。電磁波の人体への影響は」などと質問した。
6月17日には秋田市役所で、新屋演習場半径3キロ以内の町内会、小中高のPTAなどを対象に地元説明会が開かれ、120人の参加があった。
これを受けて6月27日には新屋勝平振興会で意見を出し合った。「配備されたら勝平地区から出て行く人が出るかもしれない。また、故郷勝平に戻ろうと考えている人も戻らないかもしれない」「振興会として反対表明してもらいたい」など意見が相次いだ。
6月22日には小野寺防衛相が県庁を訪れ、知事と市長に、「北朝鮮の脅威は依然として変わらない」などと理解を求めたが、知事は「ミサイル避難訓練(Jアラート)中止」との整合性を指摘、「このままでは是とはならない」と強い不信感を示した。
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