2018.08.14
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空前のムダ使い |
イージスアショア 5000億円にも |
配備先でも反対広がる
陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」は本体の1基当たりの取得経費は当初800億円程度としていたが、500億円多い1340億円、2基でおよそ2680億円と大幅に増え、総額では5000億円近くに上ることが明らかになった。
最新鋭戦闘機に続く米国からの武器・兵器調達は、価格の更なる高騰も想定され、防衛省はこうした見通しを基に、必要な経費を来年度予算案の要求に盛り込む方針だ。イージス・アショアの配備には契約締結後、6年かかる見通しで、空前の税金の無駄使いだ。配備先とされる秋田や山口の地元では反対が大きく広がっている。
調査事業の入札延期
7月初めに東北防衛局から、配備先である陸上自衛隊新屋演習場に隣接する秋田市の地元振興会(周辺16町会の連合)に、「8月上旬に予定の説明会を早められないか」と連絡があった。しかし、振興会としては「防衛省のスタンスに乗る必要はない。こっちはじっくりと町民の意見を吸い上げる」と予定通り進めることにした。
各町内会へは振興会要望書、県市の防衛省への質問書を配布、町内ごとに意見交換し7月25日の臨時理事会で集約することとした。当面の問題は「適地調査」という、配備のための地質・測量調査、電波環境調査などの実施だった。
小野寺防衛相は7月24 日、「7月26日に調査業者の入札書受付、8月2日開札」の予定を「延期しない。必要な調査だ」と述べたが、翌25日には「業務内容の一部変更があったため延期」とし、9月5日受付、12日開札と1カ月遅らせた。
「基地は不要」で結束
7月25日の振興会臨時理事会には1町内会長が欠席した他は全員(15町内会長、団体の代表28人)が出席し、15町内会がそれぞれ配備計画に対する賛否を表明、「説明不足」「態度保留」とした町内会が複数あったが、過半数は反対。
多数決はとらずに、振興会会長の「住宅密集地にミサイル基地は必要ない」を統一見解とした。今後、防衛省や県、市に意見書を提出する予定だ。
28日には、振興会だけでなく秋田市民を対象にした説明会が午前と午後で2回、それぞれ2時間という日程で開かれた。新社会党員と支持者は「地上イージスはいらない」の横断幕を掲げ、説明会参加者に訴えた。
説明会では46ページの「説明会資料」が配布され(1回目は4ページ)、「安全だ、問題があれば善処する」という説明が1時間たっぷり。その後の質問では多くの人が発言し、終了予定時刻12時が過ぎても終わらず、30分延長された。
「緩衝地帯が不十分」との意見には、「海側の松林や旧空港跡地を買い上げることも検討する」とか、「地元に迷惑が生じるとすれば、法律に基づいた施策(交付金)をとる」などと言い始めている。
これでは「新屋演習場は最適地ではない」と言っているようなもので、参加者は危惧と疑問を強めている。 |
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