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  4. 2018.01.16
 
「アベ一強」と総力対決を
憲法と生活が正念場

 
 第196通常国会は1月22日開会、6月20日まで150日間の会期となる。安倍晋三首相は1月4日の記者会見で「改憲論議を深める1年」と表明、「改憲」を巡り憲政史上最大の攻防となる。また、通常国会を「働き方改革国会」と位置づけて関連法案や、「森友・加計疑惑」も大きな争点だ。当面の政治の課題を整理する。


 自民党は「改憲」に向けたスケジュールと論点整理に着手し、今年中の改憲発議に持ち込もうとしている。
 同党の憲法改正推進本部は昨年12月20日に改憲案をまとめ、自衛隊の取扱いは両論併記とした。改憲案は、参議院選の合区解消、緊急事態条項の創設、教育無償化の3つに加え、9条に自衛隊を明記すること。核心は、9条にどう自衛隊を書き込むかで、9条2項削除か、2項に加えるか、安倍晋三首相が自民党総裁として提起した3項を加えて自衛隊を明記するかだ。いずれにせよ、「安全保障法制」(戦争法)によって集団的自衛権が行使できる自衛隊を憲法に位置付けることを狙う。
 自民党は衆参両院の憲法審査会で公明党や改憲野党を巻きこんで憲法9条に自衛隊を明記する議論を加速させ、一致すれば改憲発議する構えだ。




 政府は、昨年9月に厚労相の諮問機関である労働政策審議会がまとめた「働き方改革法律案要綱」に基づいて働き方改革関連8法を一括法案として通常国会に提出する方針だ。
 8法案は「働き方改革」とは看板だけで、残業時間の上限規制といいながら、「2~6カ月の平均で月80時間」、繁忙期には「月100時間」とするなど、過労死ラインを法律で容認する。
 また、高収入の専門職を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」導入は、特定の業務、専門的分野で残業代は未払いとするが、年収要件や適用職種などの記載がなく、労働法制を根幹から崩す「残業代ゼロ制度」。さらに裁量労働の適用を営業職に拡大するなど、過労死が後を絶たない現状を合法化する。





 政権は「モリ・カケ疑惑」を逃げの一手で年を越した。安倍首相の「丁寧な説明」は口先だけで真相はやぶの中。会計検査院は昨年11月、学校法人「森友学園」への国有地売却の際の8億円もの値引きは「根拠がない」と指摘し、疑惑は一層深まった。世論の大多数は「政府の説明は納得できない」としている。





 原発・エネルギー問題では、立憲民主党の「原発ゼロ基本法」を野党共同の提案として政府の第四次エネルギー基本計画と対決し、全国各地の原発訴訟や再稼働反対の動きと呼応する運動が求められ、沖縄県名護市長選挙の投開票日を2月4日に控え、沖縄闘争も大きな攻防となっている。
 総額97兆7128億円の来年度予算案の内実は軍拡・生活切捨てとなっている。
 社会保障関係費は1300億円削減、特に生活保護世帯を狙い撃ちの一方、法人税の減税処置と大企業優遇は温存だ。軍事費は過去最高の5兆1911億円となり、高額な兵器を買い漁り、敵基地攻撃可能な兵器を目白押しで計上している。
 通常国会では、平和と生活を脅かす「アベ一強政治」を許さないために市民と野党の共闘がさらに固い絆で結ばれることが求められており、新社会党も全力で闘う決意だ。


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