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平壌五輪 平和の祭典へ |
南北単一チームに意図的な批判 |
安倍政権による韓国の文在寅大統領たたきがひどい。トランプ米政権に軍事力の一体化を強いられている困難な条件でも、文大統領は平昌五輪が終わるまでの米韓軍事演習延期や、南北対話のために懸命に努力している。安倍首相は、文大統領のこうした姿勢が「北制裁の効果を弱める」と気に食わない。安倍首相の意向を忖度する日本のメディアは、平昌五輪の南北女子アイスホッケー単一チームについても否定的で、韓国内でも大統領支持が急落していると書き立てている。
仮想通貨の問題で
文大統領の政策への評価が下降し、しかもその傾向が若者の間で顕著だというのは事実だ。公正とみられている調査(リアルメーター)によれば、政権発足時に「評価する」が73%だったのが、1月24日には59・8%に、「否定的」なのは21・4%から35・6%になった(全年齢)。2月初めの世論調査では、20~30代で支持が7割台に回復した。
しかし、若年層が反発したのはむしろ「仮想通貨取引所」の閉鎖に政府関係者が言及したことだ。「教育競争」にも加われず、不安定雇用で未来への夢もない若者には「仮想通貨」の投機に熱中する者が増えていた。そこで政府は規制しようとしたのだ。
IOC決定により
韓国アイスホッケーチームへの「北」チームの合流で、「4年間努力してきた韓国選手がはじかれるのでは」という若者らしい反発もあった。「北」の五輪参加が急きょ決まり、選手団の規模などは南北当局ではなく、IOCが決める事情もあり、急に一方的に押しつけられたような面もあった。そして、韓国の保守メディアが「10人合流」説を流したりして煽った。
韓国の若者は、「上から目線」で個人を無視する政治へは反発する。文大統領はどこかの首相と違い、すぐに韓国の女子チームを訪れ説明した。五輪では5競技が予定されているが、体力消耗の激しい種目のため5人ずつ頻繁に選手交替する。
その中で出場回数を「北」の選手と分け合うことになる選手が生じることが予想されるが、全く出場機会を失うというのは誤報だ。1月25日に韓国入りした「北」選手団は、韓国選手団の熱い歓迎を受け、非常によい雰囲気で合同訓練が始まったという。
平和の祭典へ努力
韓国の保守系メディアと日本のメディアは、平昌五輪は「北」に利用されていて、韓国民衆には不評という宣伝を今も続けている。南北分断国家の上にこの9年間の断絶で反北感情も根強い。
しかし、「南北共同チーム」を積極的に推奨したのはIOCのバッハ委員長と国際アイスホッケー連盟のルネ・パジェル会長だ。バッハ委員長は平和五輪を願い、「北」の参加のために協力を惜しまなかった。またパジェル会長は今回、北米のアイスホッケーリーグの選手が出場しないため、南北単一チームを「目玉」にしたいと意気込んでいるという。 文大統領が平昌五輪を何とか「平和の祭典」にしようと努力していることを、メディアは色眼鏡なしに見るべきではないか。 |
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