新社会党
  1. トップ
  2. 週刊新社会
  3. 今週の新社会
  4. 2018.03.13
 
9条「安倍案」で集約へ
改憲を前面に
 

 自民党の憲法改正推進本部は、2月28日に9条改定案を討議し、26条(教育)改定の最終案を確定した。すでに「合区」問題で47条改定案を確定し、続いて「緊急事態条項」案を確定する。9条改定案は3月25日の党大会直前に最終確定する段取りだ。後は公明党などの内諾を得ながら、両院の憲法審査会に提案し、具体的な改悪案の検討に踏み込む。


 「何も変わらない」


 自民党内では石破茂元幹事長が9条2項の「戦力不保持」を削除し、3項に「自衛隊」を明記する案を唱えているが、安倍晋三総裁(首相)をはじめ多数派は2項を残す方向でまとめる方針だ。
 2項を残す場合も、3項に「自衛隊を保持する」とするか、「自衛権の発動」とするか、また「必要最小限度の自衛」や「文民統制」をどう示すかなど大会まで調整する。
 安倍首相は、9条は「自衛隊違憲」解釈の根拠だから変えると主張していたのに、最近は「国民投票で否決されても解釈に変わりない」と答弁している。また、「3項を加えても何も変わらない」とも述べる。安倍首相の立場に立っても、数千億円の費用をかけて国民投票をする必要などないことになる。


 明記してしまえば


 合区解消や教育無償化も憲法を変える必要は全くない。変えることによって参議院の事実上の現代版貴族院化や、国家主義的教育への道を憲法上も開きたいのである(本紙前号1面参照)。改憲派にとっては、9条2項と自衛隊明記との論理的整合性などは構わない。明記さえしてしまえば、国民を洗脳できる。
 最高法規に「第4章国会」、「第5章内閣」、「第6章司法」と事実上同列に軍隊が明記されることの意味は大きい。「必要最小限」に何の意味もない。「必要最小限」の自衛隊が瞬く間に5兆円を超える税金を食う軍隊になったのも「必要最小限」の結果だ。
 「専守防衛」と言っても、「防衛」と「攻撃」の線引きの困難さは「先制攻撃論」を許すだけだ。日米軍事一体化が進行する中で、日米地位協定すら変えられない日本政府の「文民統制」など信用できるものではない。
 「緊急事態条項」も、国会議員任期問題などだけでなく、内閣の権限強化や私権制限の根拠規定を盛り込むことを決めている。

 方針の独立項目に

 党大会に提案する18年度運動方針案は、「憲法改正案を示し、改正実現を目指す」と題する独立項目を置き、改憲姿勢を前面に打ち出している。17年度の運動方針では、政策課題の一つだった。


一覧へ 
TOPへ