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自民党大会で9条「安倍案」確定できず |
揺らぐ政権倒して発議阻め |
自民党は3月25日、東京都内で第85回大会を開いたが、安倍晋三総裁が目指した9条改憲条文案を確定できず、報告に止めざるを得なかった。総裁挨拶も森友文書の改ざん疑惑の謝罪に始まり、最後に9条改憲の決意を繰り返すに終わった。この間、自民党は大会で改憲4項目の具体的な条文案を決定しようとしてきた。今国会で憲法審査会に具体案を提案しないと、年内発議は極めて困難だからだ。
しかし、森友疑惑が再燃する前は「2項削除論」封印を語っていた石破茂氏らが強く抵抗。「合区解消」「教育」、「緊急事態条項」の条文案はまとまったが、9条は難航した。3月15日の自民党憲法改正推進本部全体会では、「必要最小限度の実力組織」と定義した自衛隊の保持を明記する案で細田博之本部長は一任を取り付けられず、20日の自民党総務会でも「無理に統一案を示すな」との意見が強く出された。 22日の推進本部会合では「必要最小限度」という表現を削った新提案をしたものの、「2項は残し自衛隊を明記する方向」の「一任」を取り付けるのが精一杯だった。翌23日の総務会でも「一任」に不満が続出した。24日には『読売新聞』が「明快な条文へ熟議が必要だ」とする社説を掲げ、石破案を「あいまいさがない」と評価しつつ「自民党案の一本化」を求めた。
こうして、25日の大会では曖昧模糊とした報告に終わった。今後憲法審査会には、「2項削除」の石破案も含め、複数の自民党案を示す事態にもなりかねず、立憲民主党はもとより、もともと腰の引けている公明や、維新も議論には乗れないであろう。 しかし、改憲勢力は決して断念せず、「ポスト安倍」も想定して巻き返しを図る。安倍内閣が揺らいでいる間に、発議を断念させる運動を全力で強めよう。
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